パフォーマンス
Hedrick&Wadaはスピード筋力(パワー発揮能力)の向上は、多くのアスリートにおけるパフォーマンスを成否を決定する主要な生理学的要因であると述べています。 ウェイトリフティング動作の1RM値の合計は、スプリントや垂直跳びのパワーなど、スピード筋力を要…
大学生アスリートの大多数が、かなりの睡眠負債(睡眠不足)を抱えているという想定の下に、スタンフォード大学の男子バスケットボール代表チームを対象としてある実験が行われ、11名の選手に、1日の睡眠時間が10時間に達するように5~7週間にわたって睡眠時間…
近年、ストレングス&コンディショニング(S&C)の分野においては、試合や競技のパフォーマンスを再現し向上させることを目的とした、より機能的なエクササイズを考案する動きが進んでいます。 これは、個々の課題をジムやウェイトルームにおいてより忠実に再現…
パフォーマンス向上のための背部のトレーニングは(運動競技または職業への応用)、リハビリの目的を達成するためのトレーニングとは異なる方法や目標を必要としています。 これらは適切なコレクティブエクササイズ(各関節がスムーズに動き、四肢の筋肉が連動…
コアの機能不全とは、体幹の慣性要求と、それに抵抗するコアの制御やコーディネーションの不均衡と定義されます。 体幹と下肢の機能に関しては、身体のコアを、動的課題中の下肢アライメントと負荷の重要な調節器とみなされています。 体幹と腰部のスタビラ…
Damascenoらの近年の研究において、8週間の筋力トレーニングを実施したところ、10km走の中盤から終盤にかけてのランニングスピードが向上し、ひいては全体的なパフォーマンスが改善しました。 この研究において、筋力トレーニング群の被験者は下肢を対象とし…
1938年、Hillは筋収縮の熱力学に関する最初の実験で、2つの要素からなる筋のモデルを提示し、収縮要素(CC:Contractile Component)と、そのCCと連続した直列弾性要素(SEC:Series Elastic Component)があると説明しています。 その後数年のうちに、このモデル…
一流のジュニアアスリートを対象として、6週間の上半身トレーニングプログラムを実施した別の研究もあります。 研究では、6RMベンチプレスにおける筋力と6RMベンチスローにおけるパワーに対して、失敗するまで行うトレーニングと失敗まで追い込まないトレー…
スクワット中は一貫して足の側面と踵に体重をかけ、足裏全体を床から離さないことが推奨されます。 特に、弱点の本質的な原因が主に神経筋系にある場合は、「踵を浮かせないように」「踵を床に押し付けなさい」「踵より後ろに腰を下ろしなさい」というような…
膝関節傷害には性差が認められ、特にACL(前十字靭帯)損傷では、男子より女子に傷害発生リスクが高くなります。 この理由として、男子より女子のほうが関節の緩みが大きく、筋力が弱く、固有感覚受容器機能やコーディネーション能力も低いと指摘されています。…
大多数のハムストリング損傷は、筋原線維が腱と重なる近位の筋腱接合部(Musculotendon Junction:MTJ)に沿って発生します。 ほとんどの急性挫傷と同様にハムストリング挫傷は筋と腱の断裂より、実際に損傷するのはMTJに隣接する筋組織になります。 損傷直…
高フォースのトレーニングと高速のトレーニングとを組み合わせることは、パワーを強化するために合理的なプログラムになります。 2つの要素を個別に取り組むことで、パワーの向上が可能となりますが、最大パワーを発揮するために用いる最適な負荷のパラメー…
アジリティパフォーマンスに関連して成長と成熟が認知的意志決定過程に影響を及ぼす影響を見出しました。 子供がある刺激に繰り返しさらされると、既存のシナプス回路の強化とシナプスの剪定が生じ、反応時間の短縮と総合的認知能力の向上がもたらされること…
歩行、走行、ジャンプなど、人が移動運動を行なう際には、収縮要素(CC)、直列弾性要素(SEC)、並列弾性要素(PEC)の3つの要素が相互に作用して、効率的な運動が生じます。 例えば、CMJの最初の伸張性局面では、CCが活性化し、SECとPECが引き伸ばされ、結果とし…
下ろす段階は、体幹をしっかりと起こしたまま股関節を曲げること(ヒップヒンジ)から始まります。 スクワット中の適切な下降動作の修正テクニックには、望ましい下降動作パフォーマンスを達成するための身体的な刺激と固有感覚的な刺激の両方が含まれます。 …
運動とは、骨格系、特に関節に作用する筋の力が、トルクやモーメントを生み出して、回旋、ひねり、曲げなどの動作として現れたものになります。 これらの動作は、筋が受ける刺激の強さと筋における力発揮の大きさによって左右され、筋によって生み出される力…
指導中のクライアントが優れた運動パターンおよび安定性と可動性との適切なバランスを獲得した時点で、コレクティブエクササイズからパフォーマンス向上エクササイズへと漸進するタイミングとされています。 ここでは、押す、引く、挙上する、運ぶ、捻るを強…
スピード&アジリティのトレーニングは青少年の神経筋トレーニングにきわめて重要な要素であり、高速パフォーマンスにおけるコーディネーション能力の現れであるとみなされます。 スピードの定義は時間に対する位置の変化率に関係があり、ストライド長とスト…
ほとんどのレジスタンストレーニングプログラムでは、トレーニングストレスを定量化しモニタリングする方法として、負荷×レップ数×セット数、すなわち1回のセッションで挙上される量を算出しています。 この方法は、コンディショニングプログラムの筋持久力…
ウェイトリフティングには短時間で高強度の努力を伴いますが、これはラグビーや野球、バレーボールなどのエネルギー供給によく似ています。 ウェイトリフティングと同様に、短時間で最大努力を行うエネルギー源は主にホスファゲン機構になります。 そして、…
青少年全般(5~18歳)に推奨すべきトレーニングの種類と強度の議論 青少年全般(5~18歳)に推奨すべきトレーニングの種類と強度については、今なお議論が続いています。 あらゆる種類のMSF(筋骨格系能力)トレーニングが青少年に有益であるという、統一された明確…
男子は、実年齢を重ねるとともに、成熟段階と相関してパワー、筋力、コーディネーションの増大示す一方、女子は、思春期を通じて示す変化が有意に小さいことが示されています。 女子は、男子にみられる身長、体重、神経筋パフォーマンス間の相関関係は、思春…
速度はストライド頻度(ピッチ)とストライド長の積であり、速度を高めるためには、これら変数の両方は無理でもいずれか一方を向上させ、なおかつ他方の変数に一方が向上した分と同等またはそれ以上の低下をもたらさないようにしなければなりません。 速度がス…
近年の研究によると、より筋力のあるアスリートほど大きなパワーを発揮できることが報告されており、筋力は、パワーの向上に必要な基本要素のひとつであると考える必要があります。 一般に、力がまだ弱く若いアスリートほど、高いパワー発揮に必要な筋力レベ…
アジリティはスポーツパフォーマンスに欠かせない要素として認識されています。 特にサッカー、バスケットボール等において重要性が指摘されていますが、いずれも間欠的かつ多方向への移動を伴う性質をもった競技であり、様々な刺激に反応して素早い方向転換…
Zatsiorsky&Kraemerは腱のスティフネス(剛性)は一定であるが、一方で筋のスティフネスは可変的であり、発揮された力に依存的である(受動的な場合は伸展し、能動的な場合は硬直する)と説明しています。 特にプライオメトリックスなどのトレーニングにより、…
青少年における傷害の一時的な、また生涯にわたるマイナスの影響を考慮すると、そのようなマイナスの結果を避けるためには、青少年期の早い段階で傷害予防の方策を立てて実施する必要があります。 青少年アスリートのスポーツ傷害は成長と発達、低い体力レベ…
多くの競技において、短時間に大きな力を発揮する能力が必要とされ、高い力の立ち上がり速度を発揮する能力は、アスリートの総合的な筋力レベルと大きなパワーを発揮する能力とに関連することが多くなります。 Stoneらは、高い力の立ち上がり速度と大きなパ…
運動実践者の水分補給は、臨床と研究の両分野で活発に議論されており、アスリートの水分需要決定に責任を負うコーチやヘルスケア専門職は、水分補給計画の作成にあたって様々な因子を考慮に入れる必要があります。 運動が行われるその時々によって、環境条件…
暑熱および水分補給は、健康リスクとパフォーマンス減衰に関係しています。 暑熱環境下における身体への要求は、深部体温の上昇と、多大な水分損失(脱水)をもたらしやすく、その2つの因子が組み合わさって、パフォーマンスの低下や、熱痙攣、熱失神あるいは…