Nakajima整骨院Official Blog

世界中の治療やトレーニングを研究してます。2013年アスリートの治療に特化したNakajima整骨院を横浜市に開業。🇦🇹元SV Hornトレーナー/柔道整復師/NASM-PES/NSCA-CPT/初級がい者スポーツ指導員/WFA Periodization Specialist。

ミトコンドリア

長時間の運動中に筋グリコーゲンの減少がもたらすもの(遊離カルニチンの利用可能量はそれほど劇的に減少しないため、長鎖脂肪酸はより速くミトコンドリア内に輸送され酸化される)

長時間の運動中に筋グリコーゲンの利用可能量が次第に減少し、解糖流量が低下した場合は、遊離カルニチンの利用可能量はそれほど劇的に減少しないため、結果的に長鎖脂肪酸(LCFA)はより速くミトコンドリア内に輸送され酸化されます。 すなわち、糖質(CHO)の…

脂肪燃焼と空腹状態(エクササイズ前に糖質を摂取することにより、ミトコンドリアへの長鎖脂肪酸の流入が減少するのはインスリンの作用により脂肪組織の脂肪分解が制限されること、解糖流量が増加すること、そして、脂肪酸の運搬と酸化にかかわる遺伝子の発現が減少する)

空腹時に行う有酸素性エクササイズ 脂肪の減少を促進させるために空腹時に有酸素性エクササイズを行うという概念は、エクササイズセッション中に燃焼する脂肪量へと効果だけを考えても誤っていると言わざるを得ません。 確かに非鍛錬者においては、複数の研…

トレーニング前の食物摂取(IMTGの貯蔵量は、タイプⅠ筋線維のほうがタイプⅡ筋線維に比べ、約3倍多く、またそれらの貯蔵量の脂肪分解は65%VO2maxで運動を行ったときに最も促進される)

食物摂取と熱作用 トレーニング前の食物摂取がエクササイズの熱作用を高めることにも注意を要します。 Leeらは、絶食状態と、グルコース(ブドウ糖)/牛乳を含むGM飲料摂取後の状態において、エクササイズの脂肪分解効果を比較しました。 クロスオーバーデザイ…

運動と食事摂取における代謝調節の概要(65%VO2max’(最大酸素摂取量)以上の強度では、CHOの利用率が圧倒的に高いのに対し、脂質の酸化が減少する)

運動と摂食の間における基質の利用調節 運動と摂食の間における基質の利用調節は、生化学者の間でも長年研究されている分野になります。 従来のグルコース-脂肪酸回路とは対照的に、現在では、インスリンが脂質の酸化を制限するだけではなく脂質の分解も抑制…

利用可能なスタチンと用量および副作用(スタチン療法がミトコンドリアによるエネルギー産生経路の重要な分子であるCoQ10の血中濃度を低下させる為、スタチン誘発性ミオパシーを誘発させる可能性がある)

スタチン合併症の危険 Meador&Hueyは、マウスにおいて、スタチン療法開始前のトレーニングが筋機能の低下を予防したことを報告しています。 エクササイズ専門職は合併症を避けるために、スタチン服用中のクライアントを常に注意深く監視するとともに、可能性…

スタチン誘発性ミオパシー(スタチンはコレステロール合成の律速段階を阻害し前駆体分子であるメバロン酸塩、ミトコンドリアに影響を及ぼし、CoQ10も減少しミオパシーを誘発する)

スタチン誘発性ミオパシーの機序 スタチン誘発性ミオパシーの正確な機序は不明であり、非運動者と運動者においてミオパシー発症の経路が同じかも不明とされています。 しかし、様々な実験で多くの要因が指摘されているため、複数の要素の組み合わせによって…

無酸素性競技のアスリートにとって長時間の有酸素性運動は必要か?(Pcrの再合成を促進して疲労に達する時間を引き伸ばし、筋の毛細血管を著しく増加させる)

有酸素性トレーニングの有用性 長時間の有酸素性運動は、有酸素系競技のアスリートおよび無酸素系競技のアスリートのトレーニングプログラムの主要な構成要素として長く実施されてきました。 このトレーニング様式が、代謝系および心臓血管系パフォーマンス…

赤血球に含まれるヘモグロビンは血液のO2運搬能力に関与するために40~50%低下した場合、酸素摂取量が減少し有酸素性能力が低下する

ヘモグロビンと酸素運搬能 赤血球に含まれるヘモグロビン(Hb)は酸素(O2)と結合するので、血液のO2運搬能力はHb量に依存します。 したがって、Hb量が減少すれば血液のO2運搬能力が低下し酸素摂取量(mVO2)が減少します(例:貧血)。 ※Hb濃度の40~50%の…

長距離走のパフォーマンス向上のポイント(筋の面積当たりの毛細血管数とミトコンドリア密度を上げ酸素の拡散と利用を促し、1回拍出量と心拍出量を最大限に多くすること)

長距離選手のパフォーマンス向上のカギ 筋力、スピード、そしてパワーのが成功のカギを握る大半の競技とは異なり、長距離走は主に酸素の運搬と利用がその限界を決めます。 クライアントの走速度が上がれば酸素需要は高まり、スピードを有酸素性運動の範囲内…

筋肉における酸素摂取量(mVO2)はO2供給能力、O2消費能力によって決定される(トレーニングを継続すると筋肉内のミトコンドリアの量が増える)

酸素消費量 骨格筋で消費された酸素(O2)1分当たりの量を酸素摂取量(VO2ml/min)といいます。 一般的に、Fickの法則に基いて、心拍出量(Q)と動静脈酸素濃度較差(CaO2-CvO2)との積として算出され、以下の式で表されます。 VO2=Q×(CaO2-CvO2) 心拍出…

高強度運動時のアシドーシスの原因(筋内乳酸の蓄積は、ミトコンドリアが適切な割合でATPを供給できなくなるタイミング)

高強度トレーニング時の疲労とアシドーシス 運動中の血中乳酸の蓄積は、水素イオンの発生を伴う代謝副産物とみなされてきました。 しかし、速い解糖系によって生み出される乳酸の一部は、タイプⅠ筋線維内で酸化されます。 したがって、乳酸産生に関しては、…

筋線維タイプとエネルギー消費量(速筋線維は遅筋線維化できるが、遅筋線維は速筋線維にはならない)

筋肉とはどのようなものか? 人間が運動できるのは筋肉が収縮し力を発揮するからです。 筋肉というのは縮んだり、伸びたりします。 これは、筋肉がアクチンとミオシンという線維から出来ており、これが滑るように移動することで縮んだり、伸びたりというこ…

アミノ酸は「窒素」と「炭素」が主体(アミノ酸は炭素がある限りエネルギー源になり、肝臓はアミノ酸からグルコースを作ることができる)

アミノ酸は飢餓時のエネルギー源となる タンパク質は、アミノ酸がたくさんつながりできたものになり、「窒素」と「炭素」が主体でできています。 アミノ酸は、基本的にはタンパク質はエネルギーを生み出すためのものよりは、筋肉などの身体の構造を作るもの…

脂肪の特徴(脂肪酸はミトコンドリア内でβ酸化されアセチルCoAになり、糖と同じように完全に酸化される)

脂肪の特徴 水に溶けない長所と短所 脂肪の特徴として「水に溶けない」という事があります。 糖は水に溶けやすく、体内を移動しやすいのですが、糖は沢山あると浸透圧が変わるので、体内に溶けているものの量が増えると質量自体が増えます。 一方、脂肪は水…

乳酸は溜まってはいけないか?(速筋線維のグリコーゲンが乳酸となり遅筋線維や心筋に移動し利用される)

乳酸はエネルギー源 乳酸というと、作られたら溜まる老廃物というイメージを持っている人が多いのが実情ですが、乳酸は常に作られている一方で、エネルギー源としていつも使われています。 http://nakajima-bonesetter.com/blog/post-5671

乳酸が溜まる理由(ミトコンドリアで処理できないピルビン酸は、そのまま溜まることはないので、どんどん乳酸になる)

反応の場所に注目してみる 強度の高い運動をするとなぜ乳酸は溜まってくるのでしょう? そのカギは、反応する場所にあり、ピルビン酸が乳酸になる場所は、細胞質と呼ばれる場所になります。 細胞質は、細胞内で細胞小器官以外の場所のことをいいます。 グリ…

運動中の糖質の代謝(50~65%VO2peak以上強度が高まると筋グリコーゲンに対する依存が高まる)

糖質の代謝 運動中に骨格筋による糖質の利用が増加することは、かなり以前から知られています。 しかし、血中および筋細胞中に見られる遊離グルコースは比較的低濃度であるため、運動中の増加したグルコース要求を満たすためには、グリコーゲン分解(glycog…

糖質がエネルギーになるまで(反応が進むには、ピルビン酸が乳酸になるか、酸化されるかが必要)

グリコーゲンとグルコースにリン酸が1個つく 筋肉や肝臓に貯められたグリコーゲンが代謝されるには、まず一つ一つの単糖にばらばらになり、そしてリン酸が1個つきます。 グルコースも同じようにリン酸がついて、その後グリコーゲンと一緒の代謝経路に合流し…

乳酸もサプリメントになる(乳酸を摂取することで持久的運動中の血糖値低下が防げる)

乳酸もサプリメントになる 乳酸は溜まるだけの疲労物質ではなく、酸化して使えるものになります。 乳酸は身体で生じたとき、最初は酸(Lactic Acid)ですが、体内には酸性化を防ぐ機構がいろいろあり、すぐ中和され乳酸塩(Lactate)になります。 乳酸塩は…

クレアチン摂取の有効性(球技などのダッシュを繰り返す競技は特にクレアチン有効性の可能性がある)

クレアチン摂取の効果 クレアチンリン酸(PCr)は、クレアチンとリン酸とが結びついてできます。 クレアチンを摂取すると、特に「高強度の競技に有利になる」、ということはよくいわれています。 効果があるという研究者の意見は、①クレアチンを摂ると筋に…

エネルギー切れを防ぐために、体内のグリコーゲン量を高める(筋肉と肝臓で2,000kcal程度しか貯められない)

エネルギー切れを防ぐために、体内のグリコーゲン量を高める 競技選手の栄養について考えるべきことの一つに、試合中のグリコーゲン切れ(エネルギー切れ)を起こさないようにすることがあります。 運動時の主たるエネルギー源は糖質になり、特に高い強度の…

球技においてダッシュの後の回復を高めるには持久的トレーニングが必要(インターバルトレーニングとファルトレイクトレーニング)

球技と持久的トレーニング 球技もジョグとダッシュの繰り返しの長時間運動と考えられますので、持久的トレーニングが重要になります。 持久的トレーニングは、最大酸素摂取量レベルで追い込むトレーニングと、LTレベルで維持するトレーニングに分けて考える…

球技の場合のエネルギー代謝(ダッシュでクレアチンリン酸が使われ、ジョグでクレアチンリン酸が作られる)

球技はダッシュとジョグを繰り返す長時間運動 サッカーなどの球技において、選手は常に走っているように見えますが、実際にはボールを追って走っている選手は数人で、遠くから戦況を見ながらゆっくりと走っている選手も多いくなります。 ボールに近い場合に…

短距離走とエネルギー供給系(乳酸の生産量はそんなに多くはなく、クレアチンリン酸の枯渇とリン酸の蓄積で疲労)

[caption id="attachment_16145" align="alignnone" width="576"] Kyle Green | The Roanoke TimesMay 27, 2006 Jackie Zillioux, from Cave Spring High School collapses in exhaustion after running the anchor lap on the girls 4x400 relay during th…

最大酸素摂取量を上げるには「強度」乳酸性作業閾値を上げるには「時間」が重要

マラソンなどの持久的競技の成績と乳酸性作業閾値 乳酸性作業閾値(LT)の強度はマラソンの運動強度に近く、競技成績と非常に深い関係があり、LTの高い選手はマラソンを始めとする持久的競技の成績が良いという明らかな関係があります。 筋肉における酸素摂…

乳酸性作業閾値の値で、主動筋の能力がわかる(速筋線維で作られる乳酸の量が、遅筋線維や心筋で使われる乳酸の量よりも多くなるために血中乳酸濃度が上がる)

最大酸素摂取量と乳酸性作業 乳酸性作業閾値(LT)は「速筋線維が動員される」という考え方ができ、このことはLTは主動筋(一番働いている筋肉)の酸化能力、つまりどれだけミトコンドリアがあって、糖質や脂肪を酸化できるのかを反映しているといえます。 …

乳酸性作業閾値からみる持久的トレーニング(乳酸は、ミトコンドリアの酸化可能量を超えて糖質が多量に分解された時にできる)

乳酸性作業閾値(Lactate Threshold:LT) 乳酸は、ミトコンドリアの酸化可能量を超えて糖質が多量に分解された時にできるのです。 歩くような低い運動強度の時の血中乳酸濃度は安静時と変わりのない1~2ミリモル程度になります(血中1l中に90mgの乳酸がある…

乳酸が多く出る状況と疲労する状況が一致するのはなぜなのか?(クレアチンリン酸の再合成とリン酸除去が追いつかないだけではなく、中和できないほど乳酸が蓄積する)

乳酸が多く出る状況と疲労する状況が一致するのはなぜなのか? 疲労の原因として、乳酸が多くできる状況が、筋収縮がうまくいかなくなる状況と一致することが多いことから、乳酸が唯一の疲労の原因と考えられてきました。 では、なぜ一致するのでしょうか?…

エネルギー供給系の順番(必ずしもATP-CP系が7秒、解糖系が33秒続き、合計40秒程度の間は、無酸素的にエネルギーが供給されるのか?)

エネルギー供給系の順番とは スポーツ科学の知識がある人は、運動時にどのようにエネルギーが供給されるかという問いに対して、①ATP-CP系、解糖系、酸化系という順番に現れると答えてくれます。 ATP-CP系 もともと筋の中にある微量のATPを使って、エネルギ…

疲労困憊はクレアチンリン酸濃度の低下、クレアチンリン酸が分解されてできるリン酸濃度の上昇が深く関与していることが考えられる

ATPとクレアチンリン酸 ミトコンドリアはTCA回路、電子伝達系と呼ばれる反応系を用いて、糖質や脂肪から酸素を使ってATPを作りますが、ATPは不安定で、あまり身体の中に貯めることは出来ません。 そこで、ATPはエネルギーをクレアチンリン酸(PCr:Creatin…