下肢
動的な関節安定性は、受動的制限(靭帯と関節の配置)および能動的制限(筋と神経筋コントロール)によって影響を受けます。 能動的制限が損なわれると、傷害リスクが高まります。 筋力不足により神経筋コントロールが不十分になり、傷害の引き金となります。
筋力の発達は、男女とも、あらゆる成長段階における優先事項として推奨されています。 先行研究によると、筋力は走速度、筋パワー、方向転換速度、プライオメトリックスに必要な能力および筋持久力とは密接な関係にあることが明らかにされています。 さらに…
股関節外転可動性(HAM:hip abduc-tion mobility)は、股関節内転筋群の筋長と股関節外転筋群の筋力に依存し、より重要でありながら一般的に看過されている下肢の機能要素になります。 HAMの制限は、鼠径部挫傷の危険性増大と関連されています。 内転筋群の可…
ACL損傷のもう一つの主要なリスク因子は、下肢間の筋力の非対称性になります。 研究により、ハムストリングスの短縮性/伸張性筋力が左右で15%以上差があると、これらの筋の傷害のリスクが増大することが明らかになっています。 同様に、サッカー選手におい…
プライオメトリックエクササイズの注意事項 プライオメトリックエクササイズの注意事項は、プライオメトリックトレーニングを処方し指導する際の遅いSSCと速いSSCの相違になります。 遅いSSCエクササイズは、カウンタームーブメントジャンプのように、ジャン…
持久力トレーニングと筋力トレーニング Storenらは、ハーフスクワットの1RMテストで測定したRFDが同時トレーニング後に向上し、またRFDとREの間には正の相関関係がみられたことを報告しています。 この研究の結果、RFDの向上がREを高める重要な因子であるこ…
下肢の神経筋の非対称性 下肢の神経筋系の非対称性は傷害と結び付けられ、受傷の再受傷の危険のあるアスリートを検出するための予測ツールとして用いることができます。 健康なアスリートにみられる下肢の非対称性は正常ではありますが、両脚の筋力とパワー…
動的ウォームアップルーティン 多数のストレングスコーチにとっては、動的ウォームアップルーティンは最適とされています。 なぜならばこのタイプのルーティンは、適当な場所があれば、約15~20分で完了するからです。 レジスタンストレーニングセッションの…
単回帰分析と重回帰分析 Hunterらは、単回帰分析と重回帰分析の両方を行った結果、発揮される相対的な推進力積は高速のアスリートのほうが大きいことが比較的強い傾向として認められたことを報告しています(r2=0.57)。 このことから、大きな水平方向の推進力…
アシスティッドジャンプスクワット 伝統的なアプローチによって動作に抵抗するのではなく、バンドで補助して行うジャンプスクワットが、エリートジュニア陸上選手の下肢のパワー向上に非常に有効な手段となりうることを発見しました。 スクワットの下降局面…
投球動作の運動技能 自分の身体そのものの移動が伴う移動系動作に対して、投球動作は自分の身体以外のものを操作する操作系の動作になります。 そうした中でも野球における上手投げは、後天的に学習によって獲得する運動技能であり、成長に伴って身につく技…
野球肩・野球肘障害例の身体特性 少年野球選手におけるメディカルチェックでは成長期の野球選手に特有の身体特性を把握したうえで、野球を楽しく続けていけるかどうかを判断することが重要で、その中で障害発生に関わる危険因子を見つけ出し、その結果のフィ…
トレーニングと筋内の血流 激しくトレーニングをすると筋内に血液が注入されるまで風船が膨れ上がったようになるので、この状態をパンプアップ(pump up)といいます。 筋肉中の個々の筋線維の周りには毛細血管が取り巻いていて、その両端はそれぞれ動脈と静…