筋力
最大筋力の向上を目的として計画されたプログラムを実施する場合、望む結果を得るためにはどの程度の外的負荷を用いればよいかを慎重に検討しなければなりません。 直感的には理解できる考えではありますが、実際には外的負荷はあまり重視されず、エクササイ…
サッカー選手における筋力とパワーの重要性(跳躍高(r=0.78)、10m(r=0.94)、30m(r=0.78)のスプリント、および有酸素性持久力が男子プロサッカー選手の最大筋力と高い相関関係がある)
サッカーでは、キック、スプリント、タックル、ジャンプなど、繰り返し大きなパワーを発揮する運動が行われます。 スプリント能力とジャンプの跳躍高を含むパワー発揮能力の測定値は、サッカーのパフォーマンスと明らかに相関することが知られており、跳躍高…
レジスタンスサーキットトレーニング(RCT)の目的は、最大筋力、筋持久力、筋肥大、結合組織の強度の増加、および筋間コーディネーションの向上になります。 RCTに40~60%1RMという低いパーセンテージの負荷を用いると、トレーニング経験のない男女において…
パワーリフティング競技でよくみられるトレーニング様式は「加速度/筋力トレーニング」と呼ばれます。 このトレーニング様式の要点は、力(F)は質量(m)×加速度(a)に等しいという法則を理解することが重要になります。 挙上中の質量は一定であるために、…
中程度の負荷を高速で挙上することは、大きな力を発揮することに等しいと推測されています。 この推測は、「アスリートは、試合で重いウェイトを挙上するために、トレーニングで重いウェイトを挙上する必要はない」という意味で、言い換えれば、400ポンド(1…
筋力の向上は、有酸素性持久的パフォーマンスを向上させる可能性があります。 根拠として、筋力の向上によって接地時間の負荷局面中に適用される相対的な力(%max)が減少し、それによって同じ力発揮に対する代謝要求が減少して付加的な仕事に利用できる予備…
胸部のポジションの修正は、アスリートがスクワット中にしっかり肩甲骨を後ろに引き、胸を張り、胸椎を支持する理想的な姿勢を促すことに焦点を当てます。 コーチやトレーナーにとって、初めに、肩甲骨を十分に引いていないこと、肩が前に出てしまうこと、お…
スナッチとクリーンのウェイトリフティング動作やその派生動作は、適切に実行するのに大きなパワー発揮能力を要します。 これらはスピード依存のエクササイズであり、動作速度が成功の度合いを決定づけます。 クリーンプルとスナッチプルは、多くの競技動作…
プライオメトリックストレーニングは爆発的な形式の筋力トレーニングであり、爆発的な動作を用いて筋パワーを向上させます。 プライオメトリックスエクササイズでは、素早い伸長性動作から短い償却局面を経て爆発的な短縮性動作を行い、伸長-短縮サイクルに…
運動学習の研究により、身体外部への注意を促す指導法の有益な効果が証明されています。 例えば、外部へ注意を向けて新たに習得した運動スキルは、自動的に再現され維持される可能性が高いとされます。 スクワット中に身体外部への注意を用いる例としては、…
Damascenoらの近年の研究において、8週間の筋力トレーニングを実施したところ、10km走の中盤から終盤にかけてのランニングスピードが向上し、ひいては全体的なパフォーマンスが改善しました。 この研究において、筋力トレーニング群の被験者は下肢を対象とし…
着地とカッティングの安定性トレーニングプログラムは、十分な神経筋の活性化、筋力、そして膝関節への少ない負荷で着地とカッティングを行うテクニックを身に付けさせ、それが傷害リスクの低下に移行しうるような形で行う形でトレーニングを行うことを目的…
スクワット中は一貫して足の側面と踵に体重をかけ、足裏全体を床から離さないことが推奨されます。 特に、弱点の本質的な原因が主に神経筋系にある場合は、「踵を浮かせないように」「踵を床に押し付けなさい」「踵より後ろに腰を下ろしなさい」というような…
様々な機能的動作、例えば、バットを振る動作では、まず重力を用いて身体の様々なシステムに受動的負荷をかけ、それと同時に、能動的負荷をかけ、それと同時に、能動的な筋力によって床反力を増大、方向転換して股関節を回転させ、コアのスティフネスによっ…
トレーニング強度とは、処方されたレップ数におけるクライアントの最大能力との関係からみた挙上重量のことであり、通常%1RMの形で表示されます。 トレーニング強度は、セット数、レップ数、セット間の休息時間およびエクササイズ数と並んで、レジスタンス…
パワー出力の向上は、多くの競技においてパフォーマンスの成功を左右する生理学的主因とみなされており、さらに、神経筋および神経内分泌系の適応を促し、除脂肪体重を増加させ、バランス、柔軟性、コーディネーションを向上させ、運動覚を敏感にします。 エ…
高校生年代のアスリートは、トレーニングの強度や量、時間が十分なものであれば、発育発達が自然にもたらしてくれる結果以上に筋力レベルを著しく向上できることを示すエビデンスが数多く得られています。 実際、8~20週間のトレーニングプログラムで筋力が約…
運動とは、骨格系、特に関節に作用する筋の力が、トルクやモーメントを生み出して、回旋、ひねり、曲げなどの動作として現れたものになります。 これらの動作は、筋が受ける刺激の強さと筋における力発揮の大きさによって左右され、筋によって生み出される力…
前十字靭帯(ACL)断裂の大多数はスポーツ競技を行っている最中に発生しており、特にサッカー、バスケットボール、フットボールなど、ピボットやカッティング(切り返し)動作が頻繁に行われるスポーツに多くみられます。 そしてACL損傷の大多数は他の選手との激…
筋力トレーニングとパワートレーニングは、スピードトレーニングから最大限の適応を得るための下地となります。 これらの変数を向上させるトレーニングにおいて、力の立ち上がり速度は検討事項になります。 最も動作速度が発揮されるのはジャンプスクワット…
指導中のクライアントが優れた運動パターンおよび安定性と可動性との適切なバランスを獲得した時点で、コレクティブエクササイズからパフォーマンス向上エクササイズへと漸進するタイミングとされています。 ここでは、押す、引く、挙上する、運ぶ、捻るを強…
パワーは伝統的にウェイトルームの中でウェイトリフティングやプライオメトリックスを用いて強化されてきました。 これらは下肢のパワー向上手段として確かに効果的ですが、同時にいくつかの制約もあり、ウェイトリフティングは習得が難しい場合があり、高い…
受動的安定:膝関節は骨、半月板、靭帯、そして関節包により受動的に安定しています。 前十字靭帯(ACL)は主として前後方向の移動、内反・外反モーション、内旋・外旋モーションを調節することにより膝関節を安定させています。 能動的安定:能動的に安定させ…
神経筋制御の欠陥 神経筋制御の欠陥は、女子アスリートにしばしばみられる「片側優位」であり、両脚間の筋力、コーディネーション、制御における不均衡と定義されます。 リスク評価の際には、左右の神経筋の筋力、柔軟性、コーディネーションにおける不均衡…
アジリティはスポーツパフォーマンスに欠かせない要素として認識されています。 特にサッカー、バスケットボール等において重要性が指摘されていますが、いずれも間欠的かつ多方向への移動を伴う性質をもった競技であり、様々な刺激に反応して素早い方向転換…
力の立ち上がり速度あるいは「爆発的筋力」は、競技動作中に発揮される力の速度を表しています。 一般に、力の立ち上がり速度は力-時間曲線の傾きから決定され、力の立ち上がり速度の値は、素早く、強力な筋の短縮において機能的に重要になります。 例えば、…
多くの競技において、短時間に大きな力を発揮する能力が必要とされ、高い力の立ち上がり速度を発揮する能力は、アスリートの総合的な筋力レベルと大きなパワーを発揮する能力とに関連することが多くなります。 Stoneらは、高い力の立ち上がり速度と大きなパ…
至適負荷とは、特異的な動作に対して最大のパワー発揮をもたらす負荷のことになります。 至適負荷はパワー発揮能力を向上させる効果的な刺激であることが示唆されていますが、この主張を裏付ける研究は極めて少なく、逆に、至適負荷でのトレーニングは、パワ…
筋力の発達は、男女とも、あらゆる成長段階における優先事項として推奨されています。 先行研究によると、筋力は走速度、筋パワー、方向転換速度、プライオメトリックスに必要な能力および筋持久力とは密接な関係にあることが明らかにされています。 さらに…
傷害リスクとトレーニングの漸進 漸進性の原則に関連し、トレーニング中の傷害の潜在的リスクを減少させるために、抵抗負荷と実施速度は徐々に、体系的に増加させなければなりません。 トレーニング負荷は、予め決定されたレップ数を一貫して正確に行うこと…