膝関節
機能的因子に影響を及ぼす可能性のある因子として術前クライアント特性や特徴が複数存在します。 諸研究の報告によると、手術の前に高齢に達していること、女性であること、併存疾患が多いこと、そして体格指数(BMI)が高いことが、機能的転帰と負の相関関係…
膝関節置換術後の機能的パフォーマンスを最大化するために、研究者らは様々なプロトコルや方法を探求しており、Brownらは最近症例報告において、段階的両側処置を受ける予定のクライアントを評価しました。 その結果、通常の施術を受けた患側に比べて、手術…
最近の研究により、跳躍高が高くなるにつれて、膝関節伸展モーメントよりも股関節伸展モーメントが一層大きく増加することが示しています。 Leesらは、「低い」「高い」「最大」の3種類に分類した強度の異なるジャンプを調査しました。 平均の跳躍高は、低い…
Moirらの最近の報告によると、ジャンプスクワットでは、股関節の発揮パワーは42%1RMで最大になるのに対して、全身の発揮パワーは負荷のない場合(0%1RM)に最大になったとされています。 他の爆発的なリフティングにおいても、股関節伸展パワーに最適な負荷…
股関節伸展モーメントは、膝関節伸展モーメントに比べて、スクワットやランジおよびデッドリフトなどのエクササイズにおける負荷の増加に伴い、またランニングスピードや跳躍高、側方アジリティ運動の速度の増加に伴い、はるかに大きく増加します。 したがっ…
短距離走者の筋活動 Mann&Spragueは、高い技術を有する短距離走者の股関節、膝関節、足関節の筋活動を検証しました。 足関節後面の筋の優位性は支持期前半に伸張性筋活動が行われ、後半では短縮性筋活動が低下するという特徴が見出されました。 この結果を裏…
コアの機能不全とは、体幹の慣性要求と、それに抵抗するコアの制御やコーディネーションの不均衡と定義されます。 体幹と下肢の機能に関しては、身体のコアを、動的課題中の下肢アライメントと負荷の重要な調節器とみなされています。 体幹と腰部のスタビラ…
最近の研究において、従来のデッドリフトにおいても、負荷の増加に伴い股関節伸展モーメントが膝関節伸展モーメントより相対的に大きく増加することが示されています。 Swintonらは、ストレートバーを用いた標準的なデッドリフトと、従来とは異なるヘックス…
すべての動作は主に矢状面で行われますが、最近行われた2つの研究は、サイドステップにおける股関節伸展筋群の役割を調査しました。 Inabaらは、サイドステップの距離の増加に伴い股関節伸展筋モーメントが有意に増加したこと、しかし股関節外転モーメントは…
足関節の動き 足関節背屈可動域制限は、座位から立位への姿勢変更、立位時の動的バランスなど通常動作において必要とされます。 水平面を歩く、階段を下りる、ひざまずくなどの活動には約10°の背屈が必要であり、ランニングやスプリントなどの動作には20~30…
着地とカッティングの安定性トレーニングプログラムは、十分な神経筋の活性化、筋力、そして膝関節への少ない負荷で着地とカッティングを行うテクニックを身に付けさせ、それが傷害リスクの低下に移行しうるような形で行う形でトレーニングを行うことを目的…
神経筋系トレーニングと傷害予防 一般に神経筋トレーニングは、ストレングストレーニング、バランストレーニング、プライオメトリックトレーニング、固有受容性トレーニング、さらにコアの強化トレーニングや関節の動的安定トレーニングを統合するものになり…
膝関節傷害には性差が認められ、特にACL(前十字靭帯)損傷では、男子より女子に傷害発生リスクが高くなります。 この理由として、男子より女子のほうが関節の緩みが大きく、筋力が弱く、固有感覚受容器機能やコーディネーション能力も低いと指摘されています。…
下ろす段階は、体幹をしっかりと起こしたまま股関節を曲げること(ヒップヒンジ)から始まります。 スクワット中の適切な下降動作の修正テクニックには、望ましい下降動作パフォーマンスを達成するための身体的な刺激と固有感覚的な刺激の両方が含まれます。 …
バックスクワットの開始の説明としては、両足を床に平らにつけ、膝関節と股関節をニュートラルに伸展させた解剖学的肢位をとり、脊椎の自然な湾曲を保った状態で直立し、次に、股関節、膝関節、足関節を屈曲しながら身体を下ろして、スクワット動作を行いま…
運動とは、骨格系、特に関節に作用する筋の力が、トルクやモーメントを生み出して、回旋、ひねり、曲げなどの動作として現れたものになります。 これらの動作は、筋が受ける刺激の強さと筋における力発揮の大きさによって左右され、筋によって生み出される力…
前十字靭帯(ACL)断裂の大多数はスポーツ競技を行っている最中に発生しており、特にサッカー、バスケットボール、フットボールなど、ピボットやカッティング(切り返し)動作が頻繁に行われるスポーツに多くみられます。 そしてACL損傷の大多数は他の選手との激…
股関節の内転角の増大、股関節の屈曲角の減少、そして内旋角もACL(前十字靭帯)損傷リスクを高める可能性のある動きになります。 股関節の内転角の大きさは、高校女子サッカー選手において、カッティング中の股関節の外転もしくは内反モーションの大きさを予…
パフォーマンスの強化と傷害予防 Mcgillらは、専門的トレーニングの指針となり、パフォーマンスを強化し、また不安定性に関連する様々な傷害の予防にも役立つものとして、脊柱の安定性をもたらす4つの基本原則を次のように提示しています。 近位のスティフネ…
前十字靭帯(ACL)、特にピボット、減速、カッティング、ジャンプ、ランディング中に発生するものには、バイオメカニクス的因子と神経筋系因子が関係するとみられています。 第一に、運動中の下肢のアライメントが、ACLを含む膝関節の支持機構にかかる負荷の量…
コア(体幹)の強化、関節の安定、バランストレーニング、ジャンプトレーニングに重点を置く神経筋系のトレーニング介入によって、膝関節の外反・内反モーメントや過伸展などの着地時の誤った姿勢を修正、改善できることが研究によって示されています。 また、…
すべての筋肉にはピーク張力を発揮するための至適筋長があり、至適筋長を超えて伸張され続けると、筋の張力レベルは低下します。 長さ-張力曲線の下降部分は、筋挫傷(肉離れ)が発生する脆弱な領域であると考えられ、また一般的に、通常よりも短い筋長でピー…
パワーは伝統的にウェイトルームの中でウェイトリフティングやプライオメトリックスを用いて強化されてきました。 これらは下肢のパワー向上手段として確かに効果的ですが、同時にいくつかの制約もあり、ウェイトリフティングは習得が難しい場合があり、高い…
これまで、スクワットエクササイズにおける筋の活動パターンと動作メカニズムを調べた研究は、ほとんどがバックスクワット(BSq)を対象としていました。 しかし、BSqとフロントスクワット(FSq)の運動学的要素と筋活動パターンを比較した研究もわずかにあり、G…
受動的安定:膝関節は骨、半月板、靭帯、そして関節包により受動的に安定しています。 前十字靭帯(ACL)は主として前後方向の移動、内反・外反モーション、内旋・外旋モーションを調節することにより膝関節を安定させています。 能動的安定:能動的に安定させ…
Chaudhari&Andriachiは下肢モデルを利用して、膝のアライメントとそこから生じるACL(前十字靭帯)閾値を評価しました。 ここでいうACL閾値とは、膝関節が8°を超えて内側へ向かうか、または外側へ開くまでに、ACLが耐えられることのできる力の最大値を指します…
神経筋制御の欠陥 神経筋制御の欠陥は、女子アスリートにしばしばみられる「片側優位」であり、両脚間の筋力、コーディネーション、制御における不均衡と定義されます。 リスク評価の際には、左右の神経筋の筋力、柔軟性、コーディネーションにおける不均衡…
男子は、実年齢を重ねるとともに、成熟段階と相関してパワー、筋力、コーディネーションの増大示す一方、女子は、思春期を通じて示す変化が有意に小さいことが示されています。 女子は、男子にみられる身長、体重、神経筋パフォーマンス間の相関関係は、思春…
膝後方で半膜様筋腱と腓骨筋腱内側頭の間に生じる滑液包炎であり、大きくなると膝窩部の鈍痛、緊張感などの症状をきたします。膝の後方の滑液包が弁構造となっており、関節液が弁を通して嚢胞を形成する、という説が有力です。変形性膝関節症や関節リウマチ…
女子における神経筋の不均衡とACL損傷リスクの増大に関して、提案されているもうひとつの理論は、膝関節伸筋に関して、相対的に低い屈筋の動員であり、これはクローズドチェーンの動的ハムストリングス/大腿四頭筋ピークトルクの出力を反映している可能性が…