血液は、私たちの生命を維持するために欠かせない栄養素や酸素を運ぶ、生存に適した一定の範囲内に保持しようとする性質があり、ホルモンや老廃物の運搬、生体防御や体温調節などの大切な働きにも関与しています。
この生体の恒常性を維持するといった働きをホメオスタシスといいます。
赤血球
赤血球は、酸素を各組織に運び、炭酸ガス(二酸化炭素)を運び去る働きをしています。
血液全体の約40%占め、形は中央が凹んだ円板状をしていて、その赤血球内容の約34%は鉄を含むヘモグロビンからなっています。
ヘモグロビンは鉄と結合したたんぱく質で、柔軟性に富み、変形しやすく、細い毛細血管も通過することができます。
ヘモグロビンは酸素量の多いところ(肺胞の毛細血管)で酸素分子と結合し、酸素が少なく二酸化炭素が多いところ(末梢組織の毛細血管)で酸素分子を放出する性質があり、酸素と結合したり離れたりすることによって、肺で取り込まれた酸素が体の組織へ供給されていきます。
二酸化炭素はヘモグロビンとほぼ結合せずに血漿中に溶け込んで末梢組織から肺へ運ばれます。
赤血球は細胞であって最初は核小体を有しますが、働きを効率よく果たすために骨髄の幹細胞から血液中に出るまで、分化するにつれて細胞の直径や核などが小さくなりミトコンドリアなどの細胞小器官は減少していきますが、逆に血色素合成分は増し、ついに無核の赤血球になり血液中に出ます。
赤血球の寿命は約120日で、毎日、脾臓や肝臓で壊され、骨髄で同じくらい新生され、一定値に保たれるようになっています。
この赤血球を産生する指令は主に腎臓で産生されているエリスロポエチン(赤血球造成刺激因子)という物質が行っています。
赤血球は男女差があり、女性の方がやや少な。
赤血球新生の材料
赤血球は、赤芽球という細胞から作られますが、鉄や各種アミノ酸、脂肪酸を材料として、ビタミンB6、B12、葉酸、銅などの助けをかりて生成されます。
特にビタミンB12は、抗貧血ビタミンといわれ、赤芽球の正常な成熟と形成に欠かせない栄養素です。
引用元:目でみるからだのメカニズムP14,15