ウォームアップ
試合開催地に到着したら
試合開催地に到着したら、簡単な動的動作とハンドリングスキルを統合した10分間の短い積極的ウォームアップを行わせ、その後、選手ごとに、各自が必要と感じる部位に対して静的ストレッチングを行わせます。
この時間を利用して神経筋を刺激し、化学経路の準備を整え、その日の試合に対する精神的集中を高めます。
その日の対戦スケジュールの進行とともに、試合前のウォームアップに割く時間は徐々に短くします(例えば、最初の試合はウォームアップ20分、2回目の試合は15分、3回目の試合は10分)。
これは、行われる総運動量を減らして、その日の試合で蓄積される疲労量を減少させるためです。
ウォームアップの流れ
ウォームアップには、試合ごとに内容を変えたハンドリングを必ず含め、静的および動的ストレッチングをその間に挟みます。
ウォームアップが進むとシンプルなコンタクトドリルも実施しますが、対パッドコンタクトから最終的には制御い状態での対人コンタクトへと進みます。
短い加速スプリント(10~40m)とアジリティも実施し、その後、攻撃プレーや守備プレーと組み合わせて特異的セットプレー(スクラムとラインアウト)も行います。
そして、各自が特に必要と感じる部位に対してストレッチングを行ったのちに、予定されている試合開始時間の5~10分前に選手着替室へ戻ります。
水分補給と栄養摂取
最初の試合の30分前に、意識覚醒、パフォーマンス増大、疲労感の減少を目的として市販の栄養ドリンク(200ml)を飲み、選手はドリンクを飲む前に、試合前の体重を基準として十分に水分摂取した状態でなければなりません。
試合後は、糖質(CHO)とタンパク質(P)を約4:1の比率で含む市販のリカバリードリンク(500ml)を飲ませます。
これは、水分補給と筋グリコーゲン補給、タンパク質合成を助けるためです。
CHOとPの両方を含む飲料の摂取は、パフォーマンスを向上させ、回復を促進し、骨格筋の損傷を減少させることが示されており、この点においてCHOと電解質だけを含む飲料よりも優れています。
CHO+Pの飲料は、ある時間内で、反復運動が要求される場合にも有益になります。
このような飲料を各試合後に、可能な限り早く(30~60分以内)摂取することにより、グリコーゲン補給とタンパク質合成をスピードアップさせることができます。
引用・索引Issurin V.New horizons for the methodology and physiology of training periodisation Sports Med 40:189-205.2010

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