筋力向上の為の4つの因子
- エクササイズプログラム:様式、強度、継続時間は?
- 栄養の量:どれくらい摂取するべきか?
- 栄養の質:どのような種類の栄養素を摂取するべきか?
- 栄養摂取のタイミング:栄養摂取をいつ行うべきか?
タンパク質/アミノ酸の摂取
レジスタンストレーニング前後のタンパク質/アミノ酸の摂取は筋のタンパク質合成(MPS)に対して付加的影響を及ぼします。
少量(6g)のアミノ酸、特にBCAA(ロイシン、イソロイシン、バリン)はMPSを促進するだけでなく、細胞内のタンパク質分解経路を阻害することによっても、反異化効果を発揮すると考えられています。
BCAAの同化/反異化特性は、MPSと筋たんぱく質分解(MPB)に関与する分子機構を作動させる酵素を活性化させます。
転写、メッセンジャーRNAの安定性、翻訳のレベルでターゲット遺伝子の発現を変化させることにおいては、BCAAの中でもロイシンが最も影響力が高いと考えられています。
これは複数の上流経路からの統合的インプットに関わります。
同化作用に関しては、近年の研究によって、MPSを制御するシグナル伝達ネットワークが、哺乳類ラパマイシン標的タンパク質(mTOR)であることが示唆されています。
mTORはMPSを活性化させるシグナルの逐次的活性化を担う(すなわち細胞の増殖を命じる)細胞内のシグナル伝達経路の一部として作用する酵素たんぱくのひとつです。
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糖質の摂取
レジスタンストレーニング中/後の液状糖質(CHO)は3つの主な成果に基づいています。
①グリコーゲン再合成
エクササイズ前の液状糖質CHOは激しいレジスタンストレーニングに伴う筋と肝臓のグリコーゲン損失を減少させる可能性があります。
②ホルモンにおける変化
エクササイズ中の液状糖質CHOの摂取はエクササイズにより誘発されるホルモン環境を同化作用にとって望ましい形状へと変化させる可能性があります。
※特にインスリンとコルチゾールの応答は同化作用とタンパク質代謝回転において主たる調節機能を果たします。
③筋たんぱく質のネットバランス
エクササイズ後のタンパク質の摂取はトレーニング後の筋のPROネットバランスを向上させることを報告されています。
脂質(脂肪)の摂取
主要栄養素の中ではとりわけ脂肪が、テストステロンの応答に対して正あるいは負の影響を及ぼすことが判明しています。
低脂肪食の摂取と、飽和脂肪の代わりに多価不飽和脂肪を摂取することは、基礎テストステロン濃度を低下させることは研究によって示されています。
ストレングストレーニング経験のある若い男性において、テストステロンと脂肪の摂取(エネルギー摂取量に対する比率)の間には有意な正の相関関係が存在することが報告されています。
また、食事に脂肪が不足していると同化ホルモンの形状が損なわれると考えられます。
したがって、筋力系アスリートには、適度な脂肪摂取(1日のカロリー摂取の20~30%)が推奨されます。
その際に食事において摂取する脂肪の大部分を一価不飽和脂肪(カロリー摂取量の10~15%)と多価不飽和脂肪(カロリー摂取量10~15%)から得て、飽和脂肪の摂取は少量に留めるのが理想的です。
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