慢性的な筋骨格系の痛みを訴える青少年
慢性的な筋骨格系の痛みを訴える青少年の多くは、身体活動で疼痛が再燃する苦痛や不安のために、非活動的な生活を送っています。
慢性疼痛は、6ヶ月以上にわたって日常的に、または繰り返し生じる痛みと一般的に定義され、お客数はアメリカで推定約1億人にのぼるにもかかわらず、見過ごされている公衆衛生問題になります。
慢性疼痛の有病率は、心疾患、糖尿病、がんを合わせたもより多く、その施術費は毎年6,350億ドルの経済的負担となっています。
慢性疼痛に苦しんでいるのは、成人に限らず、子どもや思春期の若者の間でも有病率は20~30%と、驚くほど一般的な問題となっています。
小児の慢性疼痛は、がん、鎌状赤血球貧血、若年性関節炎などの疾患に関連している場合は、原因がはっきりと特定できることもあります。
しかし、頭痛、腹痛、筋骨格痛など、青少年によくみられる慢性疼痛の多くは、はっきりとした医学的説明がつかず、そのため医療従事者にとっては診断や施術上の大きな困難に、また、お客や家族にとっては大きな悩みの種になります。
これら慢性、非悪性の疼痛症候群は、しばしば生活に深刻な支障を生じさせ、日常生活機能の多くの領域に影響を及ぼします。
例えば、慢性疼痛を有する青少年は通常、生活の質(QOL)が大幅に低下し、身体活動や社会活動に支障をきたし、学校を欠席しがちになり、抑うつ、不安、および精神的苦痛のレベルが上昇します。
若年性線維筋痛症
慢性疼痛をもたらす疾患のひとつ、若年性線維筋痛症は、広範囲にわたる筋骨格痛、多数の圧痛点、疲労感、睡眠障害、その他いくつかの関連症状を特徴とします。
若年性線維筋痛症のお客は、多くの場合、他の若年の慢性疼痛お客に比べて機能低下がさらに激しく、機能的障害と精神的苦痛のレベルはより高くなります。
青少年の慢性疼痛症状への対処、管理方法としては、薬物療法、心理的および行動的介入、エクササイズ、その他の非薬物療法など、いくつかの疼痛管理療法が一般的に用いられています。
心理的、行動的介入である認知行動療法(CBT)は、若年性線維筋痛症を含む小児の慢性疼痛において、効果的に疼痛を緩和し、日常の身体的、情緒的機能を改善するものとして、エビデンスに基づく強力な裏付けを得ています。
CBTでは、筋弛緩法、活動のペーシング、認知の転換、問題解決、心を落ち着かせる言葉の使用といった様々なスキルを指導することにより、疼痛への対処、疼痛の緩和を試みます。
引用・索引American pain Society.Guideline for Management of Fibromyalgia Syndrome pain in Adults and Children.Glenview.IL:American pain Society.2005

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