青少年アスリートのSSC能力の評価には、2つの要素を考慮する必要があります。
ひとつは青少年の生物学的成熟度であり、もうひとつは測定方法になります。
SSC増強効果の各種測定方法
方法 | 式 | 単位 |
---|---|---|
直接比較 | CMJの高さ-SJの高さ | cm |
PSA | (【CMJ-SJ】/SJ)×100 | % |
EUR | CMJ/SJ | 数値 |
垂直離地速度 | ΔVTO(CMJ)-ΔVTO(SJ) | % |
最も強調される方法のひとつは、筋の弾性指標である伸張性利用率(EUR:eccentric utilization ratio)になります。
これは、基本的にSJに対するCMJの割合であり、CMJの高さをSJの高さで割って求めます。
成人アスリートのEURは、少なくとも1.0以上であると予想され、1.0というのは無論SSCによる増強作用が乏しいことを示唆しています。
EURの値がより高いアスリートは、SSCによる増強作用が高いことを示唆しています。
EURはその他のデータからも測定でき、フォースプレートや位置変換器を利用できるのであれば、ピークパワーや平均パワーを用いることもできます。
これは、まだ成長中で体重が変化する可能性の高い思春期の若者のモニタリングにとって特に重要になります。
成人とは異なり、青少年のジャンプパフォーマンスは変化が大きく、ジャンプ自体に慣れていないことも手伝い、安定性がなく、青少年に関しては、学習効果とそれに続くジャンプ能力の向上により、きわめて短期間のうちに跳躍高が突然増加することがありますが、それが必ずしもパワー発揮能力の増加を意味するとは限りません。
これらの理由を合わせると、測定にEURピークパワーを用いることは、青少年を指導する専門職に、パフォーマンスのモニタリングツールとしてさらなる利益を提供するはずです。
引用・索引Strength&Conditioning Journal35 Numbers3 pages77-88