成長
身長の最大発育速度(PHV:Peak Heght Velocity)
中学生年代の特徴は、身長が急激に伸びる発育スパートを迎えることにあります。
平均的なU-13において、身長の最大発育速度(PHV:Peak Heght Velocity)を迎えます。
Philippaertsらは、サッカー選手を対象にして、ほとんどの体力・運動能力が身長と同じようにPHV年齢において最大発達を示すことを報告しています。
ただし、無酸素性能力や下肢筋パワーについてはPHV年齢以降の1~2年にわたって大きく発達することも示しています。
ここで注意が必要なのは、発育スパートを迎えるタイミングが選手によって異なり、PHV年齢には最大5歳程度の個人差があることです。
そのため、同じU-13チームにも発育スパートを早く迎えPHVを過ぎた早熟な選手と、これからPHVを迎える晩熟な選手が混在することになります。
結果的に、同じ暦年齢であるにもかかわらず、無酸素性能力や下肢の筋量・筋パワーに大きな違いが生じ、そのことがYo-Yo IR2テストの結果にも強く影響します。
PHVを過ぎた早熟な選手
PHVを過ぎた早熟な選手では、U-13の時期において下肢の筋量・筋パワーの発達が有意になり、したがって、まだ発育スパートを迎えていない晩熟な選手との下肢の筋量・筋パワーの差が拡大し、これがYo-Yo IR2テストの結果にも強く影響します。
つまり、ほぼ同じ練習メニューで、同じトレーニングを実施しているにもかかわらず、U-13にて下肢の筋量・筋パワーが大きく発達する早熟な選手ほどYo-Yo IR2テストの結果は向上を示し、その一方で、PHVを迎えていない晩熟な選手におけるYo-Yo IR2テストの結果向上は小さくなりました。
したがって、U-13では、早熟な選手の間欠的運動能が短期間に大きく発達し、晩熟な選手との差が拡大することになりますが、重要な点は、晩熟な選手では下肢の筋量・筋パワーが遅れて発達するだけであり、U-14、U-15へと年齢カテゴリーが上がるほど、早熟な選手との差は徐々に縮まりることです。
引用・索引Bangsbo J F,M,Iaia,and P,Krustrup,The Yo-Yo intermittent recovery test a useful tool for evaluation of physical performance in intermittent sports Sports Med.38:37-51.2008
U.S. Soccer Bio-Banding Initiative

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