老年期と海馬
運動は、心臓循環器系と筋骨格系の健康を助長しますが、この研究は規則的な運動が脳の健康維持・増進に重要であり、アルツハイマー病、うつ病など各種の運動疾患や2型糖尿病お客の補助薬としての運動の役割を指示するものになります。
一方、海馬は老年期に萎縮し、記憶障害や認知症のリスクを高めることが報告されています。
しかし、海馬と側頭葉の容積は体力の高い成人のほうが大きく、運動トレーニングにより海馬の血流循環が増加することが明らかになってきています。
最近の脳CTスキャンを駆使した研究では120名の高齢者を無作為、コントロール試験を行ったところ、有酸素運動が海馬前部のサイズを増加させ空間記憶の改善をもたらしました。
運動と海馬
運動トレーニングにより加齢に伴う海馬容積減少の1~2年分に相当する2%を可逆的に増加させたことになります。
まとめると、海馬は老年期においても可塑性は維持されており、1年間の有酸素性運動は海馬容積を増やすのに十分であり、増加した海馬は、より高いBDNFや記憶機能改善につながります。
これらの結果は、高い体力レベルは、海馬容積の減少に対する予防になりうることを強く示唆するものです。
引用・索引Irrcher I Ljubicic V Hood DA Interactionsbetween ROS and AMP kinase activity in the regulation of PGc Transcription in skeletal muscle cells Am J Physiol Cell Physiol296:C116-C123.2009
Strategies to Improve Cognitive Function

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高次脳機能障害のための認知リハビリテーション 〜統合的な神経心理学的アプローチ
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