NO3-を補給することによるパフォーマンスへの効果
BRJ(ビートジュース)としてNO3-を補給することによるパフォーマンスへの効果は一貫性がありますが、PJ(ザクロジュース)からNO3-が提供された場合には、レジスタンストレーニングと組み合わせた場合の直接的な筋力への利益に関するエビデンスには矛盾もみられます。
しかし、PJは運動直後の自覚的筋痛を緩和することにより、筋の回復に対する利益に関しては裏付けとなる広範囲なエビデンスがあります。
この効果は、時間が経過するにつれて弱まることに注目すべきであり、筋痛のレベルは運動後24時間経過するとプラセボ群とNO3-群の間で平準化されることが知られています。
PJが筋力の低下を緩和する
またPJは、高強度の伸長性エクササイズを複数回行った後に通常起こるとされる筋力の低下を緩和するとされています。
総合的にみると、BRJとPJには、ほかにもこれらの反応に影響を与えると思われる多くの作用物質が含まれています。
例えば、BRJの中にはベタレイン、ベタイン(BET)、ベタニン、ベタシアニン、ベタキサンチンが、PJ中にはタンニン、アントシアニン、エラグ酸などが含まれています。
そのため、NO3-の補給によるパフォーマンス増強に関して、総合的な一致した結論を得ることは困難になります。
したがって、BRJから食事において1,500mlのNO3-を摂ることは、パフォーマンスの利益をもたらす可能性があると思われますが、NO3-の量に関する報告が欠如しているため、PJから補給した硝酸塩の効果的濃度と比較することは困難になります。
興味深いことに、NO3-の補給による利益は、上級アスリートよりも非鍛錬者から中程度の鍛錬者で最も効果が高いとされています。
引用・索引Alvares T,Conte C,PaschoalinV,Silva J,Meirelles C,Bhambhani Y,and Gomes P,Acute L arginine supplemention increases muscle blood volume but not strength performance.Appl Physiol Nutr Metab37:115-126.2012