発揮パワーとストレッチ
下肢の最大パワーと発揮筋力を検討した近年の研究により、静的ストレッチには有害な作用のあることを示すエビデンスが得られています。
Samuelらのよると、運動前にストレッチを行なうことは、ひとつの筋によって発揮される力のレベルを一時的に低下させます。
またこの力発揮の低下は、筋腱スティフネス(硬直)の低下によるものになり、すでに示されているように、硬直した筋腱はより大きな力を発揮します。
静的ストレッチと筋の力発揮
Bacurauらも、静的ストレッチを行なうと筋の長さ-張力関係が乱れるため、筋の力発揮が減少する可能性があることを示しました。
とはいえ、以上のような研究結果は、ストレングストレーニング専門職のレパートリーから静的ストレッチを完全に外すべきであることを示唆するものではありません。
静的ストレッチルーティンは硬直を和らげ、可動域を広げることに役立つ効果的な手法であるため、最大発揮、パワー発揮を要求するエクササイズの前ではなく、むしろその後に組み込まれるべきとされています。
引用・索引Junge A and Dvorak J. Soccer injuries: A review on incidence and prevention. Sports Med 34: 929–938,2004.

NSCA 高校生のための体力トレーニングマニュアル ≪写真と動画でよくわかる!≫
- 作者:NSCA ジャパン
- 発売日: 2019/01/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)

- 作者:Mark Rippetoe
- 発売日: 2019/04/05
- メディア: 大型本

目でみる筋力トレーニングの解剖学―ひと目でわかる強化部位と筋名
- 作者:フレデリック ドラヴィエ
- 発売日: 2002/04/01
- メディア: 単行本