プライオメトリックトレーニングとは
プライオメトリックスエクササイズは爆発的動作を要求し、結果としてパワー発揮の増大をもたらすエクササイズです。
トレーニングの構成要素としてSSC(ストレッチ-ショートニングサイクル伸張-短縮サイクル)を利用する為に、プライオメトリックスエクササイズにおいてパワー発揮がより大きくなることが示されています。
プライオメトリックストレーニングを支える原則は、償却局面を短縮することです。
償却局面とは、プライオメトリックス運動中の伸張性筋活動と短縮性筋活動の間の局面を指します。
このタイプのトレーニングは、特に下肢パワーが活動の主な構成要素である場合に、無酸素性パワーを増大させる手段として促進されてきました。
プライオメトリックスエクササイズ後にパワー発揮の増大が認められる理由は、プライオメトリックスエクササイズにおける運動単位の作用方法に伴って、タイプⅠおよびタイプⅡ両方の筋繊維サイズが増大することにあると考えられています。
共同筋の活性化と収縮に伴って拮抗筋が抑制される事が、プライオメトリックスエクササイズによってパワー発揮の増大が得られる重要な理由の一つであるかもしれません。
プライオメトリックトレーニングの筋の弾性
第二に、プライオメトリックトレーニングは結合組織と筋の弾性の変化を促す可能性があります。
さらにプライオメトリックストレーニングに伴う素早い動作の為に、反射の増強作用があります。
タイプⅠおよびタイプⅡ筋線維に認められた横断面積(CSA)を根拠として、プライオメトリックストレーニングがもたらす形態はレジスタンストレーニングの効果と似ている部分が多数あります。
至適休息時間
最近の文献において、パワー発揮を最大にするには、レジスティッド運動とプライオメトリック運動の間には4分間の休息が必要であるとされています。
5RMのスクワットに続いてスクワットジャンプあるいはCMJ(カウンタームーブメントジャンプ)を行うコンプレックストレーニングを分析したところ、それぞれの最大の床反力と滞空時間が得られました。
発揮パワーを最大にする為に至適休息時間を決定する為に、他の休息時間も検証されました。
しかしながら5RMスクワット後の30秒、2分、3分において、スクワット後の10秒、2分、6分においてスクワットジャンプの床反力の低下が観察され、また5RMスクワット後の30秒、2分、6分において滞空時間の低下も観察されました。
以上の検証結果から、十分な休息が行われない場合、あるいは休息が長すぎる場合は、発揮パワーは減少する可能性があります。
さらに、高強度のレジスタンストレーニングに続いてCMJあるいはドロップジャンプを行わせる場合、3分、10分、あるいは20分の休息後に跳躍高の増加は全く認められませんでした。
引用・索引Effects of Performing Endurance and Strength or Plyometric Training Concurrently on Running Economy and Performance37-45

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