スポーツとスティフネス
腱と筋のスティフネス
Zatsiorsky&Kraemerは腱のスティフネス(剛性)は一定であるが、一方で筋のスティフネスは可変的であり、発揮された力に依存的である(受動的な場合は伸展し、能動的な場合は硬直する)と説明しています。
特にプライオメトリックスなどのトレーニングにより、筋は大きな張力を発揮し、腱スティフネスを越えた高レベルのスティフネスを維持することができます。
そのような状態では、筋は伸張しないため、腱が伸張せざるをえません。
これは前述したように、主に腱にEEを蓄える能力に優れた上級アスリートがきわめて有利であることを示しています。
脚スティフネスは、立脚期半ばにおける下肢の最大圧縮力に対する最大地面反力の割合として定義できます。
または筋力の変化を筋長の変化で除して求めることができます。
スティフネスとスポーツパフォーマンス
Komiによると、SSCエクササイズ中の下肢筋群のスティフネスレベルが高いほど、貯蔵、再利用されるEEが増大することが示唆されています。
ArmpaatzisらもまたGCTと足関節スティフネスがドロップジャンプ中に負の相関を示すことを証明しています。
同様にKuitunenらも足関節スティフネスが最も高い被験者が、すべての走速度において最も短いGCTを示したこと、またそれらのGCTは膝関節や股関節などの関節の屈曲の減少とも関係があることを証明しました。
さらに下半身および上半身において、力の立ち上がり速度(RFD)と結合組織のスティフネスとの間には正の相関関係が存在します。
Heise&MartinおよびDalleauらの報告によると、脚スティフネスとランニングの経済性にはさらに正の相関があることから、効率の良い走りをするランナーとは、接地中のスティフネスが大きな走法のランナーであると結論づけました。
人体器官におけるスティフネスの大きさとスポーツパフォーマンスの様々なパラメータの間には、強い相関関係が存在するとされています。
引用・索引London Sport Institute Middlesex University London England University of Glamorgan Pontypridd Wales Unted Kingdom34-35 2014

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