肩前部の不安定性や疼痛を予防する
腹臥位での肩甲平面の外転エクササイズを選択することは、肩とローテーターカフの筋組織の活性化に有効であることが明らかになっています。
したがって、これらのエクササイズは、肩とローテーターカフの脆弱性から生じる筋組織のアンバランスを緩和するために有益であるとされています。
次に、不適切なエクササイズの選択(外因性リスク)と肩の機能障害との関連性を認識することは、傷害パターンを避け、傷害を予防する可能性があります。
ベンチプレスで可動域末端での運動を制限するために、タオルやバーベルパッドを用いることは、下降局面の最終段階でのリスクを軽減するとされています。
さらに、エクササイズの修正を通じて可動域末端での「ハイファイブ」ポジションを避けることも、肩前部の不安定性や疼痛を予防する可能性があります。
これは、また、首の後ろではなく体幹の前部でバーを動かすことを要求するエクササイズ(ラットプルダウンやバーベルプレスtoフロント)を選択することによっても達成できます。
エクササイズ処方および筋骨格傷害の診断や施術にかかわる専門職は、RT集団において最大限の安全性を確保し、傷害のリスクを低減し、筋骨格障害を予防するためガイドラインを開発しなければなりません。
安全性と傷害リスク軽減のガイドライン
傷害のリスクは運動処方とテクニックの変更により軽減できるとされています。
重要なことは、
- 僧帽筋下部と外旋筋を強化するエクササイズを取り入れることは、RTに関連してよく起こる筋力のアンバランスを緩和するのに役立つ。
- 内旋と肩後部の柔軟性を増大させることを目的とした柔軟性エクササイズは、肩の障害を回避し、バランスのとれた関節可動域を提供するために推奨される。
- 基本的なテクニックの修正を用いて本格的な「ハイファイブ」ポジションを避けることは、RTにより誘発される一般的な肩の障害を避けるうえで有益になる。
引用・索引Department of Physical Therpy Nova Southeastern University Fort Lauderdale Florida

肩関節痛・頸部痛のリハビリテーション (痛みの理学療法シリーズ)
- 発売日: 2018/05/31
- メディア: 単行本