投球動作におけるコアの働き
投球動作におけるコアの働き
コッキング期に股関節が反時計回りに回旋すると、アクセレーション期が開始され、貯蔵されたエネルギーが解放されます。
アクセレーション期において重要なのは、硬いコアによって、股関節から肩関節にパワーを最大限に伝達することになります。
ただしその際、コアのスティフネスは適切な筋活動によって調整され、弾性エネルギーの貯蔵と再利用がゴムバンドのように最適に強化されます。
そして、ちょうど手が鞭を引き寄せるように、質量の大きいコアが、アンテリアセラーペ(右肩から左股関節)を用いて質量の小さい投手の右腕を「引き寄せ」ます。
スティフネスの調整
一方、股関節の反時計回りの回旋は左脚の伸展によって加速し(左股関節は後方へ引く動作)、左股関節は引き続き前方へ移動します。
ボールが手を離れるとアクセレーション期は終了し、そこからフォロースルー期が開始となります。
フォロースルー期には、左の腓腹筋から右の広背筋にかけてポステリアセラーペが動作の減速を行ないます。
このように、筋群は力発揮ならびにスティフネスの調整を行ない、この「調整」は基本的に、能動的な筋力と、その他の組織(靭帯、腱、および筋膜など)の弾性収縮力を組み合わせて利用することを可能にします。
肩関節、股関節、および四肢の筋群は、動作を生み出すため力を連続的に産生します。
一方のコアは、この遠位の動作を爆発的に実行させるための硬い土台(近位のスティフネス)を提供します。
卓越した投手は、投球のコッキング期とアクセレーション期において、コア筋群のスティフネスを「調整」し、セラーペという鞭を最適化する能力に優れています。
引用・索引Behm D Drinkwater E Willardson JM and Cowley PM Canadian Society for Exercise Physiology Position Stand The use of insability to train the core in athletic and non athletic conditioning Appl Physiol Nut Mechb36:109-112.2010

パフォーマンスUP! 運動連鎖から考える投球障害~診察室からグラウンドまでをつなぐアプローチ~
- 作者: 森原徹,松井知之,高島誠
- 出版社/メーカー: 全日本病院出版会
- 発売日: 2014/04/10
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
![ストレングストレーニング&コンディショニング[第4版] ストレングストレーニング&コンディショニング[第4版]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51WjCSgIQwL._SL160_.jpg)
- 作者: 篠田邦彦,岡田純一,G. Gregory Haff,N. Travis Triplett
- 出版社/メーカー: ブックハウス・エイチディ
- 発売日: 2018/01/30
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る

NSCA 高校生のための体力トレーニングマニュアル ≪写真と動画でよくわかる!≫
- 作者: NSCA ジャパン,福永哲夫
- 出版社/メーカー: ベースボール・マガジン社
- 発売日: 2019/01/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログを見る