食物摂取と熱作用
トレーニング前の食物摂取がエクササイズの熱作用を高めることにも注意を要します。
Leeらは、絶食状態と、グルコース(ブドウ糖)/牛乳を含むGM飲料摂取後の状態において、エクササイズの脂肪分解効果を比較しました。
クロスオーバーデザインで4回の実験条件を調査し、それはGM飲料を摂取した低強度、長時間のエクササイズ、GM飲料を摂取した高強度、短時間のエクササイズ、そしてGM飲料を摂取しない高強度、短時間のエクササイズ群に分け、被験者は10名の大学生で、同じ日に順不同ですべての4種類のエクササイズを行いました。
その結果、高強度と低強度のエクササイズのどちらでも、GM飲料の摂取は、GM飲料を摂取しなかったエクササイズと比較して、運動後の酸素摂取量が有意に大きくなりました。
他の研究も同様の結果を得ていることから、エクササイズ前の食事に伴う明らかな熱発生効果が証明されました。
ここで、トレーニング中に動員される脂肪組織の部位も考慮しなければならず、低強度から中強度のトレーニングを定常状態で行う間、エネルギー源として脂肪の貢献度は総エネルギー消費量の約40~60%に相当します。
体脂肪とスポーツ選手(脂肪は比重が軽い(約0.9g/c㎥)ため、競泳やシンクロなど水中や水上で動作を行う種目の選手は、ある程度の体脂肪が必要)
筋グリコーゲンと脂肪分解
しかし、非鍛錬者では、さらにそのうちの約50~70%だけが血中の遊離脂肪酸からで、残りは筋内トリグリセリド(IMTG)からになります。
IMTGは脂肪滴としてミトコンドリア近くの筋形質に貯蔵されていて、筋グリコーゲンが供給する有効エネルギーの約3分の2を供給する能力があります。
筋グリコーゲンと同様にIMTGは筋内だけで局所的に酸化させることができ、IMTGの貯蔵量は、タイプⅠ筋線維のほうがタイプⅡ筋線維に比べ、約3倍多く、またそれらの貯蔵量の脂肪分解は65%VO2maxで運動を行ったときに最も促進されます。
ウェイトコントロールのためのトレーニングの考え方(「エネルギー保存の法則」は熱と筋肉などの運動と食物の代謝が等価であることを示している)
引用・索引Dose Cardio After an Overnight Fast Maximize Fat Loss?54-56