筋のストレッチング
まずは硬くなった筋のストレッチングを行っていきます。
フォームローラーを使用し、腓腹筋の起始部分から始め、クライアントは身体を床から持ち上げ、足に向かってフォームローラーをゆっくりと遠位方向に動かします。
クライアントは硬くなった筋群の筋腹にフォームローラーが当たると圧痛を感じます。
指導者はクライアントに、圧痛を感じるところで10~20秒ほど止めるように指示します。
その後、クライアントはフォームローラーを踵骨まで転がします。
指導者は両足のふくらはぎを同様にほぐすように指導します。
フォームローラーを当てない側の足は、交差してもう一方の足に乗せておき、片足が終了したらもう片方も行います。
過回内足に影響を及ぼす腸脛靭帯の硬化
足部回内にしばしば影響を及ぼす、もうひとつの解剖学的な構造は腸脛靭帯(ITバンド)の硬化になります。
ITバンドは腸骨稜に起始し、腰部の外側から膝蓋大腿関節に達し、脛骨外側顆に付着します。
ITバンドをほぐすように、横向きの姿勢をとって骨盤の外側にフォームローラーを当てます。
フォームローラーエクササイズの次に、ふくらはぎのスタティックストレッチングを行ないます。
下腿三頭筋をストレッチングするために、壁に向かって立ち、ストレッチングを行わない脚を前に出して曲げ、ストレッチングを行なう脚は後ろに引いて、膝を完全に伸ばします。
腓腹筋を伸ばすために、身体を前脚の曲げた膝のほうへ傾け、その間後ろ脚の膝を曲げてはならず、また床から踵が浮かないようにします。
ヒラメ筋を伸ばすためにも同様の姿勢が必要になります。
唯一異なるのは、後ろ脚を曲げることです。
それぞれの姿勢を30秒間維持し、合計3セット行なうようにします。
研究によれば、スタティックストレッチングを効果的に実施するためには、30秒程度伸張状態を維持する必要があります。
引用・索引Adan RA Mechanisms Underlying current and future antiobesity drugs Trends in Neurosciences 133-137,2013
Gastrocnemius & Soleus (Calf) Dynamic Release a.k.a. Pin and Stretch (Self-Administered)

- 作者:工藤慎太郎
- 発売日: 2012/05/18
- メディア: 単行本

足部スポーツ障害治療の科学的基礎 (Sports Physical Therapy Seminar Series)
- 発売日: 2012/09/01
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