血圧と血行動態
BRジュースの形態で摂取される有機亜硝酸塩は、安静時の収縮期および拡張期血圧(BP)を一時的に低下させる効果があることが示されています。
Vanhataloは、BRジュースの摂取は血圧を有意に低下させ、拡張期BPが5%(-4mmHg)、収縮期BPが3%(-4mmHg)低下したことを明らかにしました。
既知の亜硝酸塩による血圧低下のメカニズムのひとつに、低酸素状態によって促進されるというものがあります。
このとき、酸素濃度の低下した筋の一部ではより多くのNOのが産生されます。
したがって、血圧低下のこのメカニズムが、酸素の必要量に応じた局所的な血流の増大を助け、骨格筋内における酸素のより均一的な分布を実現させると考えられます。
低酸素状態と亜硝酸塩
これまでに蓄積された、データは、亜硝酸塩がNOの貯蔵プールとして機能し、生理学的な低酸素信号分子として働いている可能性が高いことを示しています。
活動中の筋が酸素を受け取る量が少なかった場合、あるいはより多くの酸素を消費している場合に、血中NOが増加して、周辺の血管の抹消抵抗を減らし、血管の拡張を促し、活動部位への血流を増大させるとされています。
このような末梢血管抵抗の減少がBPの低下につながっているといえますが、その正確なメカニズムとこれらの野菜のBP低下効果は未確認になります。
果物と野菜を豊富に含む食事は、心臓病のリスク因子である血圧の低下に寄与します。
食事性硝酸塩の約80%は果物と野菜、および加工肉から摂取されます。
BRなど、ある種の野菜は硝酸塩を特に多量に含み、硝酸塩は血圧低下に大きく貢献するとのエビデンスが示されています。
引用・索引Bailey SJ Fulford J Vanhatalo A Winyard PG Blackwell JR Dimenna Fj Wilkerson DP Benjamin N and Jones AM Dietary nitrate supplementation enhances muscle contractile iefficiency during knee extensor sxercise in humans J Appl Physiol 109:135-148,2010