スプリントの筋活動
短距離走者の筋活動
Mann&Spragueは、高い技術を有する短距離走者の股関節、膝関節、足関節の筋活動を検証しました。
足関節後面の筋の優位性は支持期前半に伸張性筋活動が行われ、後半では短縮性筋活動が低下するという特徴が見出されました。
この結果を裏付ける証拠は他の複数の研究者グループによって提供されています。
支持期が進行するにつれて腓腹筋の筋活動が弱まり、つま先が地面を離れるまでには消滅している可能性のあることが報告されています。
また、股関節伸展筋群(臀筋群とハムストリングス)の優位性は接地初期から支持期中期まで継続して、制動を最小化するとともに、身体の前進において中心的役割を果たしていることも示されました。
この調査結果はその後に裏付けを得ています。
スプリントの筋活動パターン
Mannらは次の研究において、ジョギング、ランニング、スプリントの筋活動パターンを比較し、ここでも支持期中の足関節後面の筋の素早い伸張性筋活動に続いて底屈が行われていました。
しかし腓腹筋が筋活動を行っている最中に発生する底屈の量は、可動域33°のうちわずか6°であり、接地中のプッシュオフが0.06秒しか継続しないこと考えると、そのように小さな可動域におけるそのように小さな筋活動量が、直線スプリントにおいて水平推進に大きく貢献する時間はほとんど存在しません。
他方、ハムストリングスは股関節に対して有利なてことなるため、支持期において高レベルの力を発揮することに適しています。
以上の調査結果は、スプリントの支持期におけるGSACの複数の重要特性を示しています。
引用・索引School of Kinesiology and Health Science York University Toronto Ontario

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