支持期の接続時間
ストライド長とストライド頻度
複数の研究により、速いアスリートは遅いアスリートよりもストライドがかなり長いことが示されています。
同様に、同じアスリートがスピードを増大させて走っている際はストライド長が増加していると考えられます。
しかしどちらの環境においても、支持期の持続時間が劇的に減少します(約45~50%)。
つまり短い接地時間で長い距離にわたって身体を推進させるということは、支持期の120~200ミリ秒間に、より大きな水平力/パワーが発揮されていることを示唆しています。
対照的にストライド頻度は、4~8m/秒で走っている際はごくわずかしか増加せず、この際遊脚期の持続時間に変化は認められません。
つまりストライド頻度の変化は、支持期の持続時間の変化に起因しているということになります。
脚のリカバリーとスプリントスピード
Weyandらは、傾斜角0°のトレッドミルを用いて、最大スピードスプリント中の遊脚時間(同じ足のつま先が地面を離れた瞬間から着地までの時間)と床反力を計測し、被験者の最大スプリントスピードは6.2~11.1m/秒にわたりました。
速い被験者は短い支持期に大きな力を適用することができ、遅い被験者は長い支持期に小さな力しか適用できなかったことが報告されています。
興味深いことに、この研究において最も遅かった被験者(トップスピードが6.2m/秒)は、世界最速の男子100m走選手と同じくらい素早く脚をリカバリーすることができましたが、スプリントスピードはその半分しかなく、速いスプリンターは平均的スプリンターよりも脚のリカバリーを素早く行う能力を有していると考えられますが、今のところ科学的文献による裏付けがないため、注意して扱う必要があります。
引用・索引School of Kinesiology and Health Science York University Toronto Ontario

- 作者:阿部 征次
- 出版社/メーカー: ベースボールマガジン社
- 発売日: 2004/03
- メディア: 単行本