現場への応用
股関節、膝関節伸展モーメントの関連変数
負荷が重くなるにつれて(スクワット、ランジ、従来のデッドリフト、およびヘックスバーデッドリフト)、ランニングスピードが早くなるにつれて、また跳躍高が高くなるにつれて、股関節伸展モーメントや関連変数が膝関節伸展モーメントや関連変数よりも相対的に大きく動作に貢献することを示しています。
同様に、より速い側方動作でも、股関節外転モーメントよりも股関節伸展モーメントのより大きな増加が必要とされます。
すなわち、アスリートがトレーニングにより最大パワーと最大スピードを発揮できるようになるためには、矢状面でもまた前額面でも、主要な股関節伸展筋群(大臀筋とハムストリングス)の筋力を発揮させることが一番の関心事でなければならないということを意味します。
競技動作に似たエクササイズと各関節の伸展モーメント
競技動作にきわめてよく似たエクササイズ(スプリンタ、ーのスプリント、パワーリフターのスクワットなど)でトレーニングを行うアスリートにとって、有意に低い股関節対膝関節の伸展モーメント比が最大下パフォーマンスに関与している可能性があります。
したがって、S&Cコーチは、この弱点に取り組む方法はいくつかあり、まず股関節伸展筋群のためのエクササイズを追加いて行うことになります。
これはジムでの補助エクササイズとして、ルーマニアンデッドリフト、グッドモーニング、バックエクステンション、リバースハイパー、バーベルヒップスラスト、ケトルベルスイング、腰にハーネスをつけたスレッドトレーニングなどの股関節有意な複合動作で構成されます。
スレッドトレーニングは、股関節伸展モーメントに関しては、腰にハーネスを装着して行うほうが肩に装着するよりも優れていることが明らかになっています。
第2に、最大努力のエクササイズを強調し、最大下のエクササイズをあまり重視しないことが考えられます。
これは、コーチがアスリートの長期的な向上に必要であると考えるピリオダイゼーションを取り入れたプログラムで実施できます。
最後に、大多数の研究者は、パワートレーニングのための最適な負荷は、全身の発揮パワーを最大にする負荷であると強調していますが、これによると、股関節の発揮パワーを最大にする負荷でトレーニングするほうが効果が大きいとされます。
引用・索引Strength and Conditioning Research Limited Loughborough Leicestershire United Kingdom

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