スクワットジャンプとRFDの向上
スクワットジャンプは予め決められた深さの静止姿勢から開始するVJと定義されますが、このときアスリートは、肩から腕を伸展させて行うか、両手を腰に保持したまま行います。
SJの利用はアスリートのRFD(筋の立ち上がり速度)の向上が目的であり、したがって、SJの特徴として、アスリートが静止状態から運動を開始することが重要になります。
例えば、3点支持または4点支持の姿勢からスタートするアスリートは、SJトレーニングを行うことにより、最短時間で力を発揮する能力を高めることができます。
弾性エネルギーの貢献度
Wiisonらは、膝を110°と150°に屈曲させてSJを行った男性アスリートが、同じ膝の関節角度で等尺性筋活動やCMJを行った場合に比べ、最も大きなRFD(RFDmax)を達成したことを証明しました。
注意すべき点は、これらのテストでは、RFDmaxの変動係数(CV%)に大きな相違があったことで(27.8~60.3%)、CV%の最小値はSJで観察されたRFDにおいて大きなCV%が観察されたため、RFDmaxとは異なる可能性があることに注意が必要になります。
またこれら2件の研究の実施方法の違いがRFDの違いをもたらす可能性もあります。
さらに、CMJとSJの両ジャンプに関しては、弾性特性が総エネルギーの約35%しか寄与しないことを示した研究もあります。
弾性特性の貢献がこの2種類のジャンプにおいて等しいとすると、パフォーマンスの違いはむしろ力発揮の違いに原因がる可能性があります。
CMJのほうが当然、力発揮の時間は長く、異なるジャンプ様式における筋の活性化は男女間で異なりますが、同様に、弾性エネルギーと運動エネルギーの具体的な貢献度も異なる可能性もあります。
引用・索引Various Jump Training Styles for Improvement of Vertical Performance

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