CTと主働筋-拮抗筋ペアセット
CT(コンプレックストレーニング)とは、高強度レジスタンスエクササイズの後にバイオメカニクス的に近い動作パターンの低強度エクササイズを行い、PAPを引き起こすものになります。
これに対して、一部の研究は、主働筋-拮抗筋ペアセット(Agonist antagonist paired set:APS)を用いる形式のCTを提案しています。
しかし、一方で、強化する筋が異なる2つの動作は似ていないためAPSに言及する際はCTという用語を用いないほうがよいとする研究もあります。
このような見解の相違はあるにせよ、APSおよびAPSを用いた筋力とパワーの向上に関する研究を調査することは、APSが誤ってCTに分類される可能性を防ぐ上でも必要になります。
相反抑制と発揮パワーにおけるCT
Baker&Newtonは、「拮抗筋群の相反抑制を増強させると神経作用によって力発揮がいくらか向上するのであれば、拮抗筋群を対象的に鍛える方法は、発揮パワーの向上にも有効な可能性がある」と述べています。
これを検証するために、Baker&Newtonは、大学生年齢のラグビー選手24名を対象に、爆発的なベンチプレススロー(40kg負荷)における発揮パワーへの即時的効果を測定しました。
研究では、被験者12名を対照群(拮抗筋への介入なし)とし、残る12名の実験群には、プローンベンチプルを力強く8回行わせた結果、拮抗筋への介入を行った群ではパワーが4.7%向上したのに対し、対象群の発揮パワーの向上は認められませんでした。
Baker&Newtonは、この種のトレーニングの長期的な効果についてさらなる研究が必要であり、またこのような方法を例えば投球などの課題のウォームアップに用いることの潜在的利益について調査する必要があると述べています。
引用・索引Complex Training Reexamined Review and Recommendations to Improve

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