青少年アスリートの傷害リスクを低減するには
神経筋バイオメカニクスにかかわるリスク因子
神経筋バイオメカニクスにかかわるリスク因子は、INTプログラムによって制御できることが研究により示されています。
これらのプログラムはアスリートの傷害発生率を直接低下させることが知られています。
さらに、INTプログラムの実施と前十字靭帯(ACL)傷害の減少には、年齢に関連した相関関係が存在することが証明されており、この関係は、神経系において思春期の影響が軽減されうることを示しています。
通常、思春期の特徴として、対応する神経筋の十分な適応が伴わずに主要な筋骨格が発達します。
そのアンバランスが、スポーツ活動中の異常なメカニクスを生じさせる可能性があります。
そのため運動傷害を抑制する運動パターンを確実に発達させるためには、思春期直前からアスリートのINTプログラムを開始することが最も望ましいといえます。
スポーツ活動中の神経筋コントロール
スポーツ活動中の神経筋コントロールは、感覚運動系が適切に機能することに依存しています。
この複雑なシステムには、求心性神経と遠心性神経の信号が含まれますが、それに加えて、関節の動的安定性の維持にかかわる中枢神経系の統合と処理も含まれます。
神経筋コントロールの定義は様々なものがありますが、ここでは、調和のとれた効率的な運動を実現する、正確な筋の活性化と定義します。
感覚運動系、関節の安定性、神経筋コントロール、およびそれぞれが傷害リスクに及ぼす関係を図示化しています。
特異的なトレーニングによる感覚運動系の機能向上は、神経筋コントロールの増大をもたらし、それが、高強度スポーツを実施する最中の動的な関節安定性を向上させます。
神経筋コントロールと動的な関節安定性が同時に改善することにより、傷害リスクを低減できます。
引用・索引School of Health and Sports Sciences Universitat de Girona Salt Catalonia Spain46-47

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