指のDIP関節が屈曲位に曲がり自動伸展できない状態をマレット指(槌指)と言います。
突き指と言われるよう指をぶつけたり、ひっかけたりして負傷します。球技のスポーツで好発し、指の伸筋腱の断裂、もしくは末節骨背側の骨折、末節骨の骨折に脱臼を伴う外傷です。
発生頻度は中指が最も発生頻度が高く、示指、小指、第4指で母指はまれです。
症状
終止腱断裂ではDIP関節過伸展によって受傷し、腫脹、疼痛は経度で、DIP関節部の圧痛もほぼありません。
DIP関節は屈曲位変形(槌指変形)し自動伸展が不能となります。末節骨骨折の場合、指伸展機構の損傷と、圧痛、腫脹、皮下出血斑が現れます。
固定
固定はDIP関節を過伸展にして終止腱が弛緩し、癒合させるようにします。脱臼骨折を伴う場合は骨片の離開と脱臼が改善されなければ観血的療法に移行することもあります。
予後
痛みなど自覚症状が少ない分、受傷後放置されることが多く槌指変形を残すことがあります。
変形を残しても一般的に大きな機能障害を残しませんが、受傷直後から適切に施術されれば良い経過が得られることが多いので早期に施術を行いましょう。
引用元:柔道整復学実技編、標準整形外科学P370,371
清田恵