持久的パフォーマンスと筋、プライオメトリックストレーニング
筋力およびプライオメトリックストレーニングは、いずれも持久走パフォーマンスに有益な効果をもたらすことが明らかになっています。
それらのトレーニングがもたらす効果のひとつは、神経筋の適応を向上させてランニングエコノミーを改善することになります。
長距離を走る能力は、様々な生理学的およびバイオメカニクス的因子に左右されます。
伝統的に、持久的パフォーマンスの決定因子は、最大酸素摂取量(VO2max)および競技中に維持できる%VO2maxであると考えられてきました。
しかし、長年トレーニングを積んでいる持久系アスリートの場合、すでにVO2maxの伸びがプラトーに達しており、VO2maxを高めることではランニングパフォーマンスの向上を引き起こせない可能性があります。
神経筋特性と無酸素特性
Noakesは、エリートレベルの持久系アスリートの場合、神経筋特性と無酸素特性の相互作用に影響を受ける筋パワーの因子のほうが、パフォーマンスの決定因子として優れていることを示唆しています。
そのほか、ランニングパフォーマンスに影響を及ぼすもうひとつの因子は、ランニングエコノミーになります。
ランニングエコノミー(RE)は、一定速度で走る際の単位体重当たりの酸素摂取量と定義されます。
また、骨格筋がいかに弾性エネルギーをランニングに利用できるかもREに影響を及ぼします。
弾性エネルギーの蓄積と放出という寄与がなければ、ランニングにおける酸素消費量は30~40%増加すると考えられています。
また、高いREを有するランナーは、筋力、腱スティフネス、および筋の立ち上がり速度(RFD)が高いことが明らかになっています。
そして、これらの因子は、筋力トレーニングとプライオメトリックストレーニングによって強化することが可能になります。
引用・索引Effects of Performing Endurance and Strength or Plyometric Training Concurrently on Running Economy and Performance37-45