ランニングスピード
ランニングスピードと筋力トレーニング
Damascenoらの近年の研究において、8週間の筋力トレーニングを実施したところ、10km走の中盤から終盤にかけてのランニングスピードが向上し、ひいては全体的なパフォーマンスが改善しました。
この研究において、筋力トレーニング群の被験者は下肢を対象とした一連の筋力トレーニングエクササイズを週2回、8週間にわたって実施し、実施後のテストでは、漸進過負荷試験におけるトレッドミルのピーク速度が、筋力トレーニング群で向上しています。
著者らは、10km走のパフォーマンスとトレッドミルのピーク速度が向上した理由として、筋力トレーニングにより運動単位の同期化と動員にかかわる神経筋系の変化が生じた結果、地面に対して素早く力を吸収し発揮する能力が向上したことを挙げています。
筋力と持久力の同時トレーニング
筋力と持久力の同時トレーニングが有益な効果をもたらすことを示した先行研究は概して、下肢の最大筋力とパワーが向上したことと、時速10km、12km、14km、および70%VO2maxスピードで走行時のREが向上したことを報告しています。
そのほか、血中乳酸蓄積開始点(OBLA)およびVO2maxにおけるランニングスピードも、筋力トレーニングの介入後に向上したことが明らかになっています。
Gulielmoらは、筋力トレーニング実施後にREが向上したことについて、ふたつの理由が考えられています。
ひとつは、筋力トレーニングによってタイプⅡx線維がタイプⅡa線維に変化し、それによって下肢の筋群の酸化能力が向上したこと、ふたつめは、活性化する運動単位の増加、動員効率の向上、および同期化といった神経筋系の因子の改善により、筋力トレーニング後にREが向上したということが挙げられています。
引用・索引Effects of Performing Endurance and Strength or Plyometric Training Concurrently on Running Economy and Performance37-45

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