持久力トレーニングと筋力トレーニング
Storenらは、ハーフスクワットの1RMテストで測定したRFDが同時トレーニング後に向上し、またRFDとREの間には正の相関関係がみられたことを報告しています。
この研究の結果、RFDの向上がREを高める重要な因子であることを示唆したHoffらの研究を裏付けています。
またこの研究結果は、神経筋系の因子が持久力パフォーマンスの決定因子のひとつであることを示唆したNoakesの研究も裏付けています。
REに対する有益な効果を示した上述の研究とは対照的に、Ferrautiらは、同時トレーニングを実施後、筋力は向上したがREの向上は認められなかったと報告しており、このような結果の違いは、トレーニング量の違いが原因となっている可能性があります。
同時トレーニングが持久力に与える影響
Ferrariらの研究では、被験者は下肢の筋力トレーニングを週1回しか実施せず、一方、同時トレーニングが持久力パフォーマンスに有益な結果をもたらした研究では、平均週2回の筋力トレーニングを実施していました。
さらに、筋力トレーニング群は持久力トレーニングのみに比べて、ランニング量を週当たり120分削減されていました。
これらの研究結果は、同時トレーニングがREに有益な結果をもたらす条件として、両方の様式に最適な実施量が存在する可能性を示唆しています。
なお、Ferrariらは、REの向上は得られなかったものの、同時トレーニングは下肢の筋力を向上させ、またランニングパフォーマンスに一切の悪影響を及ぼさなかったと報告しています。
引用・索引Effects of Performing Endurance and Strength or Plyometric Training Concurrently on Running Economy and Performance37-45