若年サッカー選手の傷害危険因子
近年の研究により女子サッカー選手の傷害を引き起こす様々な危険因子と傷害予防の重要性が明らかになっています。
若年男子サッカー選手において報告されている傷害は、主に下肢の傷害であり、非接触型傷害の発生がより高く、特に多いのは足関節と膝関節の捻挫になります。
具体的には、内側側副靱帯(MCL)と前距腓靭帯の傷害が最も報告件数が多くなっています。
成長と成熟
若年アスリートにおいて、競技関連の傷害を負うリスクは、成長と成熟の様々な段階において上昇します。
具体的には、子供の年齢が上がるにつれて、競技やトレーニングへの参加時間が増え、高い負荷に繰り返しさらされることが、受賞リスクの上昇に繋がります。
また、男子は9歳~15歳の期間に直線的に受傷率が上昇する事、特に13歳前後で躊躇な上昇を示します。
年代的に、この年齢層は、成熟の過程に伴い身長と体重が急激に変化する時期と重なります。
思春期の成長期において、成長速度が最大に達する時期を身長の最大成長速度(PHV)といい、男子は14歳前後でPHVが出現します。
エリート若年男子サッカー選手を対象とした研究において、PHVが出現した年には外傷の発生件数が増加することが明らかになっており、この結果は成長後期の段階において競技関連の傷害発生率が上昇することを示しています。
成長と成熟の果たす役割
Michaudらの研究では、若年男子サッカー選手はPHVの出現した年に上昇することを示しており、また、成熟が進むにつれて、捻挫の発生率が上昇し、それと引き換えに骨折の発生率は低下しますが、これは体重の増加と、骨のレバーアーム長の変化が関節に加わる負荷を増大させ、競技動作の強度を高めることが理由として考えられます。
したがって、成長と成熟の過程を認識しておくことは、小児期および思春期の様々な段階におけるパフォーマンスと運動制御能力の変化を理解する上で不可欠になります。
引用・索引Michaud PA.Renaud A,and Narring F, Sport activities related to injuries A surver among 9-19 year olds in Switzerland,Inj Prev 7:41-45,2001.
Preventing Injuries in Youth Soccer Players