エラスティックバンド(ゴムバンド)
エラスティックバンドトレーニングのひとつの様式として広く使用されています。
エラスティックバンドを用いると、動作の可動域にわたり、筋組織の力発揮に応じた負荷を与えることができるために、有効なトレーニングと位置づけられています。
近年は、固有受容器性運動制御能力を向上させるために、スポーツおよび健康に関する専門職により利用されています。
さらに、パフォーマンス向上ツールとしての人気も高まっており、パフォーマンス向上を理解するために体系的な研究も行われています。
人の筋力曲線
人の筋力曲線は、上昇型、下降型、釣鐘型の3種類に分類することができます。
筋力曲線の形は、神経筋系による発揮筋力と関節角度との関係によって決定されます。
- 下降型・・・挙上動作の開始時(短縮性収縮)に最大筋力の発揮を必要とするエクササイズとして、ベントオーバーロウ、チンアップ、ベンチロウなどの上半身の動作。
- 上昇型・・・四肢を完全伸展させ重い重量を挙上する場合は、複数の関節トルクの合計によって動作が行われ、スクワット、デッドリフト、ウェイトリフティングなどがある。
- 釣鐘型・・・可動域の中盤で最大筋力が発揮される単関節運動として、バイセップカール、レッグエクステンションなどがある。
エラスティックバンドの力学的利点
バンドは動作の可動域にわたって筋複合体にかかる負荷を変化させ、筋力曲線に対して負荷を増したり、あるいは補助したりする役割があります。
バンドを使用する目的としては、可動域にわたって可変負荷を与え、上昇型の筋力曲線に負荷をかけることにあります。
すなわち、一般に最も大きな力を発揮することが可能な完全伸展時に、最大の抵抗を与えることを狙いとしています。
これは、不変負荷にエラスティックバンドを併用すると、不変負荷を単独利用するよりも優れたトレーニング成果が得られるという主な根拠になります。
引用・索引Anderson CE,Sforzo GA,and Sigg JA,The effects of combinig elastic and free weight resistance on strength and power in athletes,J Strength Cond Res22;567-574.2008
Resistance Band Training Drills (Speed)