筋力とパワー
サッカーでは、キック、スプリント、タックル、ジャンプなど、繰り返し大きなパワーを発揮する運動が行われます。
スプリント能力とジャンプの跳躍高を含むパワー発揮能力の測定値は、サッカーのパフォーマンスと明らかに相関することが知られており、跳躍高(r=0.78)、10m(r=0.94)および30m(r=0.78)のスプリント、および有酸素性持久力が男子プロサッカー選手の最大筋力と高い相関関係があります。
カウンタームーブメントジャンプ(CMJ)は主に下半身のパワーを測定、またスクワットジャンプ(SJ)は下半身の筋力を筋力を測定するための有効なテストとみなされています。
Wisloffの報告
Wisloffらは、ノルウェーの上級サッカーリーグの優勝クラブであるRossenburgと、最下位でシーズンを終えたStrindheimを比較しました。
チーム |
伸張 |
体重 kg |
VO2max ml/kg/分 |
スクワット kg |
垂直跳び kg |
ベンチプレス kg |
---|---|---|---|---|---|---|
Rosenborg | 181.1±4.8 | 79.6±6.3 | 67.6±4.0 | 146.6±21.8 | 56.7±6.6 | 82.7±12.8 |
Strindheim | 180.8±4.9 | 76.8±6.4 | 59.9±4.1 | 135.0±16.2 | 53.1±4.0 | 77.1±16.5 |
筋力とパワーと持久力が、Rosenborgにフィールド上のパフォーマンスにおいてより有利な基盤を与えたことを示唆しています。
高強度のレジスタンストレーニングを用いた筋力トレーニングは、初期加速と方向転換動作、水素イオンの制御と緩衝能、さらにスプリント能力を改善すること、その結果、試合中に経験する疲労を遅らせることが知られています。
Petersonの報告
Petersonは、筋力を増大させる最も効果的な方法をまとめています。
初心者 | アマチュア | プロ |
---|---|---|
トレーニング経験なし | トレーニング経験あり | 高度なトレーニングの経験者(アスリート) |
強度:60%1RM | 強度:80%1RM | 強度:85%1RM |
量:各エクササイズ最大4セット | 量:各エクササイズ最大4セット | 量:各エクササイズ最大8セット |
頻度:週3回 | 頻度:週2回 | 頻度:週2回 |
その方法は、選手のトレーニング歴により変わり、最大筋力とピークパワーの間には高い正の相関関係(r=0.77~0.94)が認められることから、高強度レジスタンストレーニングは、パワーの先行条件であることが裏付けられます。
注目すべきこととして、高負荷(>80%1RM)を取り入れたレジスタンストレーニングは、低負荷のレジスタンストレーニングに比べ、最大筋パワーのより大きな増加をもたらします。
引用・索引Wisloff U, Castagna C, Helgerud J, Jones R, and Hoff J. Strong correlation of maximal squat strength withsprint performance and vertical jump height in elite soccer players. Br J Sports Med 38: 285–288, 2004.
Peterson MD, Rhea MR, and Alvar BA. Applications of the dose-response for strength development: A review of meta-analytic efficacy and reliability for designing training prescription. J Strength Cond Res 19: 950–958, 2005.
Real Madrid Players Training In The Gym | Professional Soccer Players/Footballers Weight Training

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