傷害予防
サッカーはコンタクトスポーツに分類され、大多数の接触はボールの支配を争っている対戦相手との間で起こり、このようなスポーツでは、負傷は避けにくく、その重症度も様々に異なります。
上級レベルの男子サッカー選手は毎年ほぼ1回、パフォーマンスが制限されるような傷害を負うことが報告され、その結果、トレーニングや試合に参加できない日数は平均24.2日に達します。
これらの避けられない傷害はトレーニング中よりむしろ試合中に起こる可能性が高いと思われます。
Arnasonらは、上級男子サッカー選手のおいて、負傷で失われた日数の多さとチームの成績不振に似た傾向があることを見出しています。
下肢の傷害
下肢は最も負傷するリスクが高く、なかでも膝、足関節、大腿、鼠径部、下腿(ふくらはぎ)が負傷しやすい部位になり、捻挫、挫傷、打撲が最も起こる傷害の種類になります。
先行研究によると、身体接触により起こる傷害よりも、それ以外の傷害のほうがはるかに多く、主にスプリント、方向転換をする際に発生します。
サッカー選手にとって特に傷害リスクが高いのはハムストリングスと内転筋になります。
Junge&Dvorakによるサッカーの傷害に関するレビューでは、サッカーの傷害を予防するいくつかの対策が論じられ、以下の方法が含まれます。
- ストレッチングに重点を置いたウォームアップ
- 常にクールダウンを行なう
- 回復に十分時間をかけた適切なリハビリテーション
- 固有感覚トレーニング
- 防具の利用
- 良好なコンディションでのプレー
- ルールの順守
傷害予防における筋力トレーニングの鍵
筋力トレーニングは筋力の増加に加えて、腱や靭帯、軟骨、さらに骨密度もともに増加します。
したがって、関与するすべての関節の構造的強度が改善されます。
また、主働筋-拮抗筋のアンバランスがあるアスリートは、神経発火のパターンが変化し、素早い爆発的な運動の間の制動時間が長くなり、不正確な運動メカニクスをもたらします。
これは、方向転換の際に、サッカー選手を非接触性傷害の危険にさらす可能性があります。
筋力の増大(および結合組織の適応に対して同時に生じる利益)、筋のアンバランスへの対処(特に大腿)、運動メカニクスの改善(ランニング、方向転換、着地)などの傷害予防策を目的としたエクササイズやドリルは非常に重要になります。
引用・索引Junge A and Dvorak J. Soccer injuries: A review on incidence and prevention. Sports Med 34: 929–938,2004.
How do footballers recover so quickly from serious injuries? | Oh My Goal