ミニゲームに基づくピリオダイゼーション
ミニゲームは競技トレーニングとして多くの利点が世界に再認識されています。
ミニゲームは、身体的、生理学的、技術的、戦術的なパフォーマンスの質を高め、様々な利益を提供する可能性があります。
また、チームスポーツであるサッカーがもつ特異的な要求に応えることで、公式戦に対する貴重な準備を提供できます。
一方、予測不可能な状況を最適なレベルで保証することもできるため、学習の多様性を高め、意思決定と創造性を発達させることもできます。
しかもミニゲームは、選手の動機づけや取り組みレベルの高さと密接に関係します。
この10年間にミニゲームに関する多くのスポーツ科学研究が行われており、それらによると、ミニゲームでは、11名で行なう通常の試合と比較しいてほぼ同程度か、むしろ高い心拍数(HR)応答を達成できることが示されました。
類似の結果が血中乳酸濃度でもみられ、選手の走行距離も同様に11名の試合と同程度という結果がでています。
トレーニング環境でサッカーのミニゲームを計画するための推奨事項
はじめに、ランニングや体力強化にもとづく古典的なトレーニング方法と比較すると、ミニゲームの効果を測定した結果に対しては、従来一定の不信感がありました。
そのため、従来の古典的なインターバルランニングによる効果とミニゲームの効果とを比較した研究がいくつか行われています。
それらの研究が、ミニゲームのプログラムとランニングインターバルトレーニングの効果が類似していること、そしてプログラム間の統計的有意差は認められなかったことを報告しています。
通常、ミニゲームは間欠的な方法で行われますが、プログラム効果を上げるためには、両方の処方を検討することが重要です。
引用・索引Dellal A, Chamari K, Pintus A, Girard O, Cotte T, Keller D. Heart rate responses during small-sided games and short intermittent running training in elite soccer players: a comparative study. JStrength Cond Res 22: 1449–1457, 2008.
Small-Sided Games part 1 - Robert Baan; Australia needs SSG

「戦術脳」を鍛える最先端トレーニングの教科書 欧州サッカーの新機軸「戦術的ピリオダイゼーション」実践編 (footballista)
- 作者:山口遼
- 発売日: 2020/04/30
- メディア: 単行本(ソフトカバー)