生理学的一般的推奨事項
異なるフィールドサイズと選手数を組み合わせると運動強度が変わるので、トレーニングプログラムの特性を決定します。
選手数が少ないミニゲームのほうが、運動強度が高く、1チーム2名、3名、4名の試合は、90%HRmax以上になります。
このような活動は、無酸素性プログラムやVO2maxプログラムを作成するために利用できます。
選手数を増やし、5名、6名、7名で行なうミニゲームでは、運動強度の範囲は80~90%HRmaxの間であり、したがって、この値は乳酸性閾値のトレーニングプログラムにうまく対応します。
サッカーの主要な能力(無酸素性からの回復)
サッカーにおける主要な能力のひとつは、無酸素性の活動から素早く回復し、試合を通して高いパフォーマンスレベルを保持する能力になります。
したがって、この能力は、1分間の運動持続時間とほぼ同じ回復時間を用い、運動休息比を確実に1:1にしたミニゲームを、1チーム2名で行なうことで向上させることができます。
トレーニングの組み立ては、1つのグループがエクササイズを行い、ほかのグループがこの課題からの回復を図るというように、2つのグループが交互に実施できます。
この方法でトレーニングを進めると、乳酸濃度が徐々に上昇します。
セッションは4レップを1セットとして、セット間に5分の回復時間を設定するように計画が推奨されます。
ミニゲームを計画する上での方法論的提案
試合形式 | 乳酸性閾値 5~8人/チーム |
VO2max 3~4人/チーム |
無酸素性 1~3人/チーム |
|
---|---|---|---|---|
強度 | %HRmax | 80~90 | 90~95 | >85 |
RPE | かなりきつい | きつい | 最大努力 | |
乳酸濃度 (mmol/l) |
3~6 | 6~12 | >10 | |
時間 | 総運動時間(分) | 30~60 | 12~35 | 4~16 |
レップ数 | 1~8 | 4~8 | 2~8レップを 2~4セット |
|
レップ持続時間(分) | 30~60 | 3~6 | 20秒~3分 | |
回復 | <1分 | 運動休息比: 0.5:1 |
運動休息比: 1:4 |
引用・索引Rampinini E, Coutts AJ, Castagna C, Sassi R, Impellizzeri FM. Variation in top level football match performance. Int J Sports Med 28: 1018–1024, 2007.
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