サッカートレーニングのためのミクロサイクルの提案
あらゆるトレーニング状況において、コーチの計画的な見通しと選手の要求に基づいてピリオダイゼーションプログラムを計画すべきです。
マクロからミクロまで、ピリオダイゼーションは、特定の段階ではなく、シーズン全体にわたり、サッカー選手の最適なパフォーマンス目標を明確に示すものでなければなりません。
実際、サッカーチームのレギュラーシーズンはおよそ10ヶ月続き、多くの場合、1週間に2試合を行うため、サッカーチームは、周期的な試合スケジュールをもたないほかのスポーツのように、段階によって異なるパフォーマンスではなく、シーズン中は常に一定のレベルのパフォーマンスを保つ必要があります。
プレシーズン
プレシーズンと、1週間に1試合ないし2試合を行なうシーズン中の2つの段階のために、異なるミクロサイクルプログラムを提示します。
プレシーズン中は、運動量を増やすことと、低レベルの運動強度を維持することが最も優先されるため、有酸素性運動を定期的に行います。
最初の公式戦が近づくにつれて、低強度の有酸素性トレーニングを次第に高強度のものに置き換え、さらに、高い乳酸濃度をもたらす高強度運動からの回復力を強化するための無酸素性運動も重要となります。
プレシーズンに最も推奨されるのは、低強度の有酸素性運動であり、したがって、1チーム6名、7名、または8名で行なうミニゲームが最適となります。
このような試合は、大きさが小または中のフィールドを使用し、5~15分のレップを4~5セット行います。
ドリルの間の回復時間は1~2分とし、全体の運動時間は30~40分とします。
高強度の有酸素性トレーニングフォーマットは、1チーム3名または4名で、大きなサイズのフィールド(20×25mまたは25×30m)を使用、3~6分、5~8レップを1ブロックとして、1~2ブロックを行い、全体的な運動量は10~30分とします。
10ヶ月のサッカーシーズン中の体力強化の優先度
月数 | プレシーズン | 試合期 | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | ||
有酸素性 | 低強度 | ↑ | ↑ | → | ↑ | → | ↑ | → | ↑ | → | ↑ |
高強度 | → | ↑ | ↑ | ↑ | ↑ | ↑ | ↑ | ↑ | ↑ | → | |
無酸素性 | スピード 持久力 |
↓ | → | ↑ | → | ↑ | → | ↑ | → | ↑ | → |
スピード | ↓ | ↓ | ↑ | ↑ | ↑ | ↑ | ↑ | ↑ | ↑ | ↑ |
引用・索引Oliveira B, Amieiro N, Resende N, Barreto R. Mourinho Por qué tantas victorias? Pontevedra, Spain: MCSports2011

「サッカー」とは何か 戦術的ピリオダイゼーションvsバルセロナ構造主義、欧州最先端をリードする二大トレーニング理論 (footballista)
- 作者:林舞輝
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