筋ポンプ作用
「ポンプ(パンプ)」とは細胞膨潤のことであり、筋タンパク質合成の促進と分解抑制をもたらすことが明らかになっています。
レジスタンスエクササイズは、細胞内外の水分バランスを短期的に変化させることが知られていますが、その変化の程度は、エクササイズの種類とトレーニング強度に依存します。
これは、高強度の筋収縮を行なう間、動脈が活動中の筋に血液を運搬し続ける一方で、活動中の筋から血液を取り出す静脈は圧迫されるため、筋内の血漿濃度が高まります。
これにより、血漿は毛細血管から間質空間へと浸潤し、間質空間における液体の蓄積は細胞外圧力の上昇を引き起こし、それが血漿の流れを筋へと押し戻します(反応性充血)。
細胞膨潤
一般にスポーツ科学者には「細胞膨潤」、ボディビルダーには「ポンプ(パンプ)」と呼ばれる現象を引き起こし、筋を充血させます。
この現象を増大させるのが、無酸素性解糖に大きく依存するレジスタンスエクササイズ、特に、中~高レップと短い休息時間を用いるボディビル形式のトレーニングになります。
このようなエクササイズは、乳酸や無機リン酸塩などの代謝産物を大量に蓄積させ、それらが浸透圧調節物質(オスモライト)として働くことで、細胞内にさらに体液を引き込みます。
くわえて「ポンプ作用」には快感を高める作用があり、リフティング競技者はトレーニングプログラムにおいてポンプを追求し、細胞内の水分蓄積を最大化するワークアウトを構築する選手もいます。
引用・索引>Schoenfeld BJ. The mechanisms of muscle hypertrophy and their application to resistance training. J Strength Cond Res 24: 2857–2872, 2010.
Muscle growth/strength versus endurance signal transduction pathways and their - Dr. Wackerhage

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