地上と水中での準備トレーニング
一般的な準備トレーニングには、フィールドトレーニング(スピード&アジリティドリル、競技スキル、テスト特異的トレーニングなど)、ウェイトルームでのストレングス&コンディショニング(高負荷のウェイトリフティング、サーキットトレーニングなど)、回復(マッサージ、冷水浴、理学療法など)が含まれます。
しかし、地上ベース(フィールドトレーニング、ウェイトルーム)のトレーニングプログラムは身体に極度の負担をかけるため、オーバートレーニングによって、重大な傷害やパフォーマンスの低下が生じかねないという欠点があります。
水中トレーニングの提案
最近では、筋力、パワー、柔軟性を安全かつ効率よく向上させる方法として、水中トレーニングプログラムが提案されています。
水中トレーニングは、適応を刺激するだけの十分な抵抗を与える一方で、関節への衝撃(着地時の衝撃と関節への応力)を軽減することが示されています。
適切に処方された水中エクササイズを実施すれば、地上ベースのプライオメトリックトレーニングと同様のパフォーマンス効果が得られ、下半身の発揮パワーが増大します。
水による抵抗は、スプリントトレーニングをパラシュートを用いて行なうのと同様に、プール外のパフォーマンスを向上させるのに役立ちます。
すなわち、水中トレーニングは、動作への抵抗を増大させ、筋活動の増加を要求する一方で、浮力という要素を与えます。
これは伸張性筋活動から短縮性筋活動への素早い移行を促し、その結果、発揮パワーを増大させます。
引用・索引Stemm J and Jacobson B. Comparison of land- and aquatic-based plyometric training on vertical jump performance. J Strength Cond Res 21: 568–571, 2007.
Anatomy of a Swimmer - How does Olympic champion Abbey Weitzeil generate speed?

水泳水中運動のカラクリとその指導 科学的エビデンスにもとづくティーチングメソッド (NextPublishing)
- 作者:合屋 十四秋
- 発売日: 2018/12/21
- メディア: オンデマンド (ペーパーバック)