コアモビリティ
スポーツにおける動的ウォームアップの導入は、競技パフォーマンスの向上手段として広く定着し、支持を集めています。
動作を適切かつ正確に実行するためには、十分なレベルの可動性、安定性、および運動制限が求められます。
スクワット、ランジ、プッシュ、プル、およびプランクの基本的要素は、通常、個別のエクササイズとして処方されますが、可動域全体を用いるのに必要な関節可動性や組織の伸張性はいずれも類似しています。
基本的な可動域の向上には多くの場合、軟部組織に対する様々なストレッチが用いられますが、一方で、関節可動性には関心が払われてきませんでした。
そのため、ほとんどの筋力およびパワー系競技の選手には、足関節、股関節、および胸椎における関節可動性の不足が広く認められます。
可動性の改善
これに対し、常に自重による負荷を受けた状態で、関節を可動域の限界まで動かすことにより関節可動性の改善を図ることが重要です。
可動性の改善は、神経系の全般的な興奮性を増大させ、パフォーマンスの向上をもたらします。
これは、関節を可動域の限界まで動かすことにより、神経系に大きな負荷を加わることで得られる効果になります。
また、多くの競技動作やプレー同様に、立位から低い姿勢に移行した後、再び立位に戻るように姿勢を移行させることは、運動制御の向上効果を競技動作に反映させる上で役立ち、さらに障害予防の効果も期待できます。
引用・索引Almosnino S, Kingston D, and Graham RB.Three-dimensional knee joint moments duringperformance of the bodyweight squat: Effects ofstance width and foot rotation. J Appl Biomech29: 33–43, 2013.