まとめと現場への適応
トレーニング処方に約立つテストを選択する際に、望ましいトレーニング様式、競技への応用、およびテストの実施運用上の特徴を考慮に入れることが重要になります。
最初に、競技種目と個人のトレーニング歴、およびピリオダイゼーションに基づいて、望ましいトレーニング様式を確定します。
次に、信頼性の高いMRSを提示する能力と、求めたい生理学的状態を測定する妥当性について、テストを比較する必要があります。
そうすると、20SRTやYYIRTsのようなシャトルテストは、トレーニングの個別化には最も適していないと思われます。
したがって、最大超で多方向で間欠的なトレーニングを個別化するためには、プログラム作成におけるより大きな正確性を期して、30-15IFTを用いるべきです。
これは、サッカー、ハンドボール、ラグビー、バスケットボールなどのチームスポーツに適している可能性が最も高くなります。
テスト実施の運用上の特徴
トラックで行なう走競技や最大超トレーニングの準備など、線形で最大下の持続的トレーニングを個別化するためには、有酸素性機構が優位なプロトコルをvVO2maxとの関係に基づいて選択しなければなりません。
したがって、テスト手順の実施上の制約(必要なスペースなど)に基づいて、タイムトライアルかUMTTを用いるべきです。
これらのテストは速度の測定が容易であり、様々な体力レベルのアスリートに適しています。
さらに、5分間タイムトライアル(またはそれに近い持続時間の距離)を用いることで、最も時間効率の良いテストを行なうことが可能であり、コンディショニングレベルの違いに応じて様々なエルゴメーターを使用することができます。
最大超の線形トレーニング様式が望ましい選択肢である場合は、無酸素性速度予備量の%を用いることにより正確性を高められる可能性があり、そのためには、最初に(持続的線形)vVO2maxと最大スプリント速度の測定が必要になります。
トレーニングの個別化のための推奨テスト
トレーニング強度 | トレーニング様式 | 推奨されるテスト | 留意点 | スポーツへの応用 |
---|---|---|---|---|
最大下 | 線形 | 5分間タイムトライアル | ペース配分が影響するため、習熟が必要。 | 長距離走など持続的競技に用いる。有酸素性体力レベルの低いアスリートにも適している。 |
モントリオール大学トラックテスト | スペースが必要。 | |||
最大超 | 線形 | 5分間タイムトライアル と無酸素性速度 |
スペースが必要。 | 間欠的で高い無酸素性エネルギーの産生を必要とするスポーツに用いる。サッカーやラグビーなど。 |
シャトル | 30-15間欠的体力テスト | 音源を用意する。 | 多方向の間欠的運動を行なうチームスポーツに用いる。サッカーやバスケットボール、ハンドボールなど。 |
引用・索引Buchheit M. The 30-15 intermittent fitness test: Accuracy for individualizing interval training of youngintermittent sport players. J Strength Cond Res 22: 365–374, 2008.
Shuttle run / Beeptest (with music and free mp3 download) - Soccer Exercises #02