Nakajima整骨院Official Blog

世界中の治療やトレーニングを研究してます。2013年アスリートの治療に特化したNakajima整骨院を横浜市に開業。🇦🇹元SV Hornトレーナー/柔道整復師/NASM-PES/NSCA-CPT/初級がい者スポーツ指導員/WFA Periodization Specialist。

前十字靭帯における神経筋的側面の考察(膝関節の屈曲角が0~45°で大腿四頭筋が強く収縮し、ハムストリングスの収縮がその強さに見合わないとき、前向きの力が発生しACLにかなりの負担がかかる)

前十字靭帯損傷における神経筋

膝関節の屈曲角が0~45°で大腿四頭筋が強く収縮し、ハムストリングスの収縮がその強さに見合わないとき、前向きの力が発生しACLにかなりの負担がかかる

大腿四頭筋の筋力とハムストリングスの筋力

膝関節の安定は受動的にも能動的にも生じます。

 

骨、半月板、靭帯、そして関節包は、膝関節を受動的に安定させるシステムを構成しています。

 

例えば、ACL(前十字靭帯)は、主として前後方向がの移動、内反・外反モーション、内旋・外旋モーションを調節することによって膝関節を安定させています。

 

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能動的に安定させるシステム

能動的に安定させるシステムを構成しているのは筋の収縮であり、これは主として随意的な筋活動によって発生します。

 

膝関節の安定は、この2つのシステムのバランスに依存していますが、女子アスリートの場合は、大腿四頭筋とハムストリングスの筋力の差異がACLへの負担増大のリスクを高めます。

 

膝関節が伸展すると膝に前向きの力がかかりますが、ACLはこの力の調節を担っており、膝関節を安定させて前方への変位を抑止します。

 

膝関節を受動的に安定させるシステムに加えて、この前方への動きに対する拮抗筋としてハムストリングスが機能します。

 

すなわちハムストリングスが収縮して膝関節を後方へ引っ張ることによって、膝関節の屈曲角が0°(完全伸展)~45°で大腿四頭筋が強く収縮して、ハムストリングスの収縮がその強さに見合わないとき、前向きの力が発生してACLにかなりの負担がかかり、その結果ACLを損傷する可能性があります。

 

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ACL損傷とハムストリングスに対する大腿四頭筋の優位性

女子バスケットボール選手とサッカー選手に対してプレシーズンに動的筋力の測定を行ったところ、その後ACLを損傷した選手は、男子と比べてハムストリングスの筋力は低下していましたが、大腿四頭筋の筋力は低下していませんでした。

 

つまり、大腿四頭筋の筋力は男子選手の状態と変わらず、一方、ハムストリングスの筋力は低下していたために、ハムストリングスよりも大腿四頭筋の筋力が高くなっていました。

 

この不均衡が、ハムストリングスに対する大腿四頭筋の優位を招いてACLに負荷を与え、それがACL損傷の一因になったと考えられます。

 

なぜならば、ACLを受傷しなかった選手は、男子と比較して大腿四頭筋の筋力が低下しており、ハムストリングスの筋力は低下していなかったからです。

 

したがって、大腿四頭筋とハムストリングスの両方に負荷をかけて、筋力を向上させるようなトレーニングプログラムを実施することが重要になります。

 

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引用・索引Asci A and Acikada C.Power production among different sports with similar maximum strength.J Strength Cond Res21:10-16.2006

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