膝後方で半膜様筋腱と腓骨筋腱内側頭の間に生じる滑液包炎であり、大きくなると膝窩部の鈍痛、緊張感などの症状をきたします。
膝の後方の滑液包が弁構造となっており、関節液が弁を通して嚢胞を形成する、という説が有力です。
変形性膝関節症や関節リウマチに合併して生じるものが多いです。
症状
膝窩部のやや内側より鶏卵大の波動性の腫瘤を認めます。
圧痛、熱感はなく、疼痛はさほど強くなく膝後方の不快感や正座時の緊張感を訴えることが多いです。
嚢胞には粘稠な黄色透明の滑液を認めます。関節腔との交通は関節造影により確認できます。
滑膜肉腫
関節内に発症することはまれで、関節周囲、特に膝窩部に好発する悪性度の高い肉腫です。
ベーカー嚢胞などと誤診さやすいので注意が必要です。

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引用元:目でみるからだのメカニズムP180、標準整形外科学P564