筋組織は、多数の筋細線維をもった筋細胞(筋線維)が集まったもので、運動に関与しています。
個々の筋細胞は、太さ5~100μm、長さ20μm~数100mmまでいろいろなものがあります。
筋細線維は、収縮性に富む線維たんぱく質のアクチン細糸ミオシン細糸とからなります。
筋組織は機能や形態によって①骨格筋②平滑筋③心筋に分けられます。
骨格筋
筋細線維に横紋模様がみられる筋組織で、横紋筋ともいいます。
主に骨格に分布していて、体重の約30%を占めています。
自分の意志でコントロールできる随意筋であり、短時間の比較的強い収縮運動に適しています。
平滑筋
横紋筋のような横紋模様がなく、血管や胃腸管、子宮、膀胱などにあります。
自分の意志でコントロールできない筋肉で、不随意筋(内臓筋)ともいわれます。
比較的弱い力で、持続的に収縮する特徴があります。
心筋
心臓の壁の心筋層を構成するもので、心臓の主成分です。
骨格筋のような強い収縮と平滑筋のような持続力を備えていて、両者の長所をもっています。
さらに心筋線維は枝分かれして、網目のように連なっています。
このため、心臓の一部にきた刺激は、心房または心室全体に広がって、全体が同時に収縮します。
筋肉の力
筋肉の力は、筋細胞の進展によるものではなく、収縮によってもたらされます。
たとえば、首を右に回す場合、首を支えている右側の筋肉が収縮し、元へ戻す場合、左側の筋肉の収縮によっておこなわれています。
筋肉の収縮は、筋細線維を構成する細いアクチン細糸が、刺激によって太いミオシン細糸の間に入り込むことによって短縮していくと考えられています。
筋肉は運動神経線維の指令によって収縮しますが、平滑筋と心筋の不随筋はの支配神経は自律神経、骨格筋の随意筋は体性神経に支配されます。
引用元:目でみるからだのメカニズムP10,11