関節運動速度が大きくなる(早くなる)と発揮されるトルクは小さくなります。
※速度ゼロの時は等尺性収縮を行い、他は等張性収縮。
力と速度の積がパワーとして表され、力と速度が最大努力でつりあって描写されるものを力-速度曲線と呼びます。
※基本的には大きな力を出す時には速度は遅くなり、速度を上げようとすれば力は出しにくく、パワートレーニングにおいては最大筋力の30%、最大速度の30%で行うことが効果的です。
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短縮性収縮と伸張性収縮
筋の起始と停止部が近づくよう筋肉が収縮することを短縮性収縮または求心性収縮(concentric contraction)と呼びます。
※等尺性収縮で発揮される最大筋トルクは、短縮性収縮のいかなる場面よりも大きい。
筋の起始と停止部が遠ざかるように収縮することを伸張性収縮または遠心性収縮(eccentric contraction)と呼びます。
運動様式として、短縮性収縮は階段を昇る際の大腿四頭筋の収縮、伸張性収縮は階段を降りる際の大腿四頭筋の収縮となります。
伸張性収縮では速度が早くなるにつれ、トルクが減少する傾向が見られますが、それでも短縮性収縮の同じ速度と比較すると大きなトルクが発揮されています。
※スポーツ選手でのトレーニングでは伸張性収縮を意識したものが多く取り入れられているが、関節疾患に対する運動療法では、最大努力での等尺性収縮から伸張性収縮を行わせると筋損傷を引き起こす要因になり注意が必要になり、MMTでのbreaking forceは強大なストレスとなって関節に負担を与えること知っておかなければなりません。
主働筋と補助筋と拮抗筋
運動を起こすために主に収縮する筋は主働筋(prime mover,agonist)、その動作を助ける筋は補助筋(assistant mover)、主働筋と反対の作用をする筋は拮抗筋(antagonist)と呼ばれます。
主働筋が収縮すると拮抗筋は弛緩し、最大収縮したあとには最大弛緩があるという原理が運動療法ではよく利用されます。
※これらの原理は等尺性収縮や短縮性収縮に際して用いられることが多く、実際の運動になるともう少し複雑で、投球動作のフォロースルーでは、ボールとともに投げ出された上肢を制動するかのように棘下筋が伸張性収縮をします。
※単関節筋と二関節筋(多関節筋)を考えると、単関節の収縮は短縮性か、等尺性か遠心性収縮であるかに対し、二関節筋では筋がまたがった中枢と末梢の関節で等尺性収縮同士、短縮性収縮同士、遠心性収縮同士という組み合わせに、さらに一方が短縮性で、一方が伸張性の要素で運動している局面が見られ、外傷発生の原因にもなり非常に重要です。
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引用・索引運動療法ガイド
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