関節に関係する組織
関節に関係する組織の中でも、関節包や靭帯、腱など多くの器官の基本となる結合織(ほかの組織に入り込んでそれをつなぎ合わせたり、あるいは組織と組織との間を埋めるような役割を果たす組織)は様々な種類や構造、性質を持っています。
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結合組織の種類と構造
線維成分には丈夫でかつ力を加えてもほとんど伸びない膠原線維(コラーゲン)と、ごく弾性に富み伸張性のある大きな弾性線維(エラスチン)、それに網目状の組み合わせに関係するレチクリンが存在します。
※3つの主要な成分は膠原線維になり、組織学的には、まばらに散在する細胞成分に対して細かい線維成分が縦横に走り、網目状に組み合わさっています。
コラーゲンは三重螺旋構造を持ち、きわめて多数の原線維が束をなして、規則的な配列を形成していますが、これらの線維相互間に共有結合にもとづく横の結びつき(cross linkage)ができます。
疎性結合組織(loose connectivetissue)
可動性に富む関節、筋膜、皮下組織
定形結合織
瘢痕部、拘縮を起こした関節包
※コラーゲンは線維蛋白の一つで、動物の含有する全有機物の約30%、全蛋白質中の約60%を占め、人間の場合、そのアミノ酸組成は約1/3をグリシンが占めています。
コラーゲンと関節可動域の制限
コラーゲンは強い高張性を備えていますが、その性質はトロポコラーゲンという分子配列と、分子間同士を結ぶ架橋(cross link)にもとづき、臨床的に、創の治癒過程や関節の固定でコラーゲンは作られますが、その際にコラーゲン分子が強靭な架橋を持たないように極力制限できれば関節拘縮などを最小限に抑えることができるかもしれません。
※大切なのはできるかぎり関節の固定が長期化することを避けたり、麻痺などによる関節の運動能の欠如あるいは低下に対して適切なROM維持のための運動をできるかぎり実施することにより、疎性結合組織が定形結合組織に変化するのを抑えることです。
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引用・索引 理学療法概論
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