登り坂と下り坂のどちらが楽かと聞かれれば、おそらく全ての人が下り坂と答えます。
エネルギー消費の点から見ると、標高の高い所では位置エネルギーが高くなりますので、その分、坂を登るためには余計にエネルギーが必要になります。逆に、坂を下る時には位置エネルギーに相当するエネルギーを外界からもらうことになります。
※理論的には、体重70kgの人が標高差100mを登るのと下るのでは消費するエネルギーに約40㌍の差が生じることは登り坂を走るためにはより大きなエアロビックパワーが必要になります。
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筋の働き
登り坂では、下肢の筋群が、より高い位置に身体を移動させるために、より大きな仕事をしながら短縮し、逆に、下り坂では筋が力を発揮しながら伸張させることによってブレーキをかけるように作用する場面が圧倒的に増えていきます(伸張性筋収縮:エキセントリック)。
筋肉の立場からいえば下り坂の伸張性筋収縮を繰り返すと筋の著しい損傷が起こり、下り坂が楽とは必ずしも言えないことになります。
※箱根駅伝を見ていて気づくことの一つに、往路に強い大学が必ずし復路に強いとは限らず、この要因の一つは往路が長い登り坂を含み、復路が長い下り坂を含むことにあります。
登り坂(アップヒルラン)と下り坂(ダウンヒルラン)では全く異なる生理学的メカニズムが働いていることに起因します。
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引用・索引 究極のトレーニング 石井直方
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