半月板損傷は、膝関節内に存在し、クッションの役割を持つ半月板の損傷(断裂)です。
膝に体重をかけて膝をひねる動作で発生しやすく、膝靭帯損傷に合併して生じることもあります。
放置すると将来的に変形性膝関節症をきたすおそれがあります。
原因
半月板損傷の主な原因には、スポーツ外傷、加齢変性、円板状半月板があります。
半月板は荷重のかかった状態の膝をひねる動作(運動中の膝の回旋)で損傷されやすいです。
スポーツ外傷
スポーツ中の損傷で、ジャンプや方向転換を行うサッカーやバスケットボールなどで好発します。
靭帯損傷に合併して生じることもあります。
加齢変性
加齢により変性した半月板の損傷です。
立ち上がる動作などの小さな外力で生じうる。
円板状半月板
正常では三日月状である半月板が先天的に円板状を呈するもので、日本人などのアジア人は欧米人に比べて外側半月板が円板状半月板である率が高いです。
病態
半月板は膝関節の大腿骨と脛骨の間に存在する繊維軟骨であり、膝にかかる荷重の分散、衝撃の吸収などの働きを持ちます。
半月板損傷では、半月板に断裂が生じます。
内側半月板は関節包を介して内側側副靭帯(MCL)と癒着しているため、膝の運動に伴う可動性が外側半月板よりも小さく、損傷を受けやすいと考えられています。
外側半月板では、円板状の例での損傷が多くみられます。
半月板損傷は断裂の形状によって分類されます。
半月板は中央が薄く、辺縁が厚くなっています。辺縁の1/3は血管があるために、この辺縁部の損傷では癒合する可能性があります。
これに対して中央2/3は血管がないために自然治癒が期待しにくいです。
辺縁に至る損傷では関節血腫を生じます。
症状
半月板損傷は、受傷時に疼痛を生じ、引っ掛かり感、関節腫脹、可動域制限、ロッキングなどがみられます。
受傷時の疼痛から、徐々に関節の腫脹(関節血症がみられることもある)、引っかかり感、クリック、可動域制限(伸展もしくは屈曲制限)、ロッキングなど損傷の度合いで症状はさまざまです。
一定期間経つと、運動時の疼痛や、関節水腫を生じる場合もあります。。
検査法(徒手検査法)
以下のテストは、半月板にストレスをかけ、疼痛、クリックを誘発します。
・マックマレーテスト
・アプリ―テスト
引用元:病気がみえるvol.11運動器・整形外科P183.184.185