EMSトレーニングと競技パフォーマンス
個人競技、団体競技において、EMSトレーニングを利用することで競技特異的トレーニングを過度に妨げることがなく筋力と無酸素性パフォーマンスを向上させる可能性があります。
EMSトレーニングはトレーニングセッションの初め(すなわち準備段階の最初)に1回10~15分で、3~4週間にわたって週に2~3セッション行うことが最も効率が良いと報告されています。
電流の「強度(ミリアンペア)」とそれによって「引き起こされる力(%最大随意収縮)」は強い相関関係にありますが、EMSトレーニング強度をきちんと定量化するためにはこの2つを常に厳密に制御しなければなりません。
また、少なくとも最初の数回のトレーニングセッション(トレーニングプログラムの最初の週)は、EMSエクササイズの方法論と生理学的側面に詳しいトレーナーまたはコーチによる実施も重要になります。
高レベルの競技でEMSを利用する利点
高レベルのエリートアスリート競技選手において、EMSトレーニングが神経系および代謝系的観点から、新しい付加形式と身体がみなすことができる利点がEMSトレーニングにはあります。
EMSは特に数年間のトレーニングと競技経験の後、パフォーマンスが伸び悩んでいるアスリートにとって役立つ可能性があり、従来のトレーニング形式を補うと考えられています(とって代わるということではなく)。
時短効果
エリートアスリートを対象にEMSを適用する利点のもうひとつに、1回のEMSトレーニングを通常要する時間(12~18分)が従来の自発的に行われるエクササイズセッションよりも短く済むことにあります。
コンディショニングに限られた時間しか費やせないアスリートにとって、これは極めて重要なことになります。
引用・索引Irrcher I , Ljubicic V,Hood DA :Interactions Between ROS and AMP kinase activity in the regulation of PGc-1a Transcription in skeletal muscle cells .Am J Physiol Cell Rhysiol296:C116-C123.2009

- 作者:川口浩太郎
- 出版社/メーカー: 文光堂
- 発売日: 2016/06/01
- メディア: 単行本